
『はじめの一歩』36周年記念特別企画! 今回は、東海オンエア・てつやさん特別インタビューを大公開しちゃいます!! こちらでは、「週マガ」44号に収まりきらなかったインタビューを含めたフルバージョンでお届けします!
●動画クリエイター界で最も『はじめの一歩』を愛する男登場!!
東海オンエア・てつやが語る『はじめの一歩』は人生だ!!!!

■Q1. てつやさんが『はじめの一歩』と出会ったきっかけを伺いたいです。
中学の同級生で『はじめの一歩』を全巻持ってる友達がいて、お勧めされたことがきっかけでしたね。その時はボクシングについて知らなかったんですが、そんな僕にもわかりやすくて、気づいた時にはハマってましたね。
■Q2.どんなところが面白かったですか?
当時、運動部に入っていたので、ボクシングに全力で向き合う男たちの想いにすごく共感したのは大きかったと思います。
あとは、ところどころにあるギャグパートがすごい好きでした。鷹村の排泄物からフナムシが出てきた話のような、今ふざけてますという顔じゃなくて、すっごい真剣に汗水垂らしながらふざけるシーンのあの温度感が僕に刺さりましたね。『はじめの一歩』は顔芸といえばいいのか、あの顔面力は大きな魅力だと思っています。一歩が泣きながら怒るみたいな。あの感じはいいですよね~。
■Q3.『はじめの一歩』にまつわる動画を撮影されていますが、何か思い出に残っていることなどありますか?
もちろん動画もそうなんですけど、思い出は昔からありますね。高校に入るまでの休みの間に、一歩と同じように、足の親指の力を鍛えるために、友達と河原の砂浜を本当にダッシュして、やり方を身に着けるまで何十往復もしましたね(笑)。あと、葉っぱを掴むやつももちろんやりましたし、動画だと、漫画の必殺技を真似しようって企画が思い出に残ってます。その時に伊達さんのコークスクリューブローを真似して、りょうに渾身のハートブレイクショットをかまそうとしたんですけど、見事なカウンターをもらってワンパンされましたね。いや、伊達さん話が違うじゃん!! って思ってました(笑)。一応、日常的に腕を巻き込む練習とかしてたんですよ。でもやはり、伊達さんには練習量含め、はるかに及ばなかったです!!
■Q4.てつやさんの中でのベストバウトは何でしょうか?
いや~正直、この回答はしたくないんですけど、まずは鷹村vs.ブライアンホーク戦(単行本42巻~)が一番に来てしまいます。ザ・ベストバウトみたいな回答で恥ずかしいですよ(笑)。でも仕方ないんです。面白いですから!! その上で、それ以外の試合をあげるのであれば、宮田vs.ランディボーイ・Jrの試合(単行本86巻~)が好きですね。
この試合で天才・宮田は、とんでもない技術を持っているにも関わらず、父の思いを背負い、あえてハイリスクハイリターンなJOLTという選択肢を選ぶんですよ。そうすることで、父親のボクシングが世界に通用することを証明するんだと。そんな熱い想いが乗っかっている試合というのがすごく好きです。試合内容も、あばらの負傷だったり、スタミナ切れだったりと多くの苦労に見舞われるヒヤヒヤ感、天才の技が光る爽快感、ハイリスクハイリターンな技に望みをかけて、勝利をもぎ取る天才の泥臭さと様々な魅力が全て詰まっていて、最高の試合だと思っています!!

■Q5.てつやさんはキックボクシングをご経験されていると思うのですが、もし『はじめの一歩』のキャラクターと戦うとしたら誰と戦いたいですか?
すごい卑怯な奴に見えるかもしれないですけど、小橋がいいですね。ワンパンで倒されなさそうな相手が他にいないです(笑)。鷹村とかは一番あり得ないです。怖すぎます。鷹村と戦うぐらいなら熊と戦う方がまだマシです。青木組の赤松も候補の一人なんですが、さすがに負けると恥ずかしいので、負けてもしょうがないと言ってもらえて、ワンパンされないだろうという理由で小橋と戦いたいですね。
■Q6.一番好きなキャラクターは誰でしょうか?
これも、本当に難しい(笑)。どのキャラクターも魅力的なんですけど、選ぶならヴォルグですかね。ボクサーとして見た時のレベルの高さ、強さはもちろん、あまりに性格がいいイケメンで推せる要素がいっぱいあるんですよ。さらに、そんな推せる要素がいっぱいある選手が、異国の地で、判定も不利なものを受けたりしながらも、強い意志で戦っているというカッコよさ!! これは推さずにはいられない!! 千堂とかも好きなんで、どのキャラにも勝ってほしいですけどやっぱり一人選ぶとなれば、ヴォルグです。
■Q7.東海オンエアのメンバーを、『はじめの一歩』のキャラで例えるとどうなりますか?
『はじめの一歩』のキャラクターも、うちのメンバーも結構個性が強いので、ぴったりというのは難しいですが、まず、としみつは千堂ですかね。頭脳派というより、野性味だったり、感性で勝負していく部分が近いのかなと思いますね。りょうは間柴ですね。間柴のフルネームが間柴了っていうのもありますし、身長高いし、妹いるし。あと、その気になれば、りょうはチョッピングライトを振り下ろせるタイプだと思います。デトロイト・スタイルを身につけたら絶対強いです。虫さんは真田ですかね。頭脳派だし、眼鏡かけてるし。だんだん理由が雑になってきました(笑)。しばゆーはやっぱりウォーリーですよね。天才肌というか。何しでかすかわからない底知れなさみたいなところが近いですかね。ゆめまるは島袋岩男で。見た目です(笑)。僕は……宮田でしょうね。自他共に認める宮田だと思います。え、どこが似てるかって、顔ですね。……冗談はさておき、結構考えたんですが、自分のことだと難しいですね。ウォーリーぐらい感性で動いているってわけではないんですが、感性の部分もあると思うので、ウォーリーと宮田のハーフぐらいという回答でお願いします。ちょっと強すぎますね。
■Q8.てつやさんが動画内で『はじめの一歩』を人生とおっしゃられていたのを拝見したのですが、それはどういうことですか?
この質問はちょっと熱くなっちゃいますね。僕が『はじめの一歩』を人生と思う理由は、大きく2つあって、まず1つ目は人生というのは人それぞれに存在するということを改めて知ることができるということですね。よくある漫画だと、主人公Aがいて、最初にBと出会って、次にCと出会ってみたいに、とにかくAがどう成長していくかを描くと思うんです。でも『はじめの一歩』は一歩と宮田が出会って、間柴が出てきて、間柴と宮田が試合して、そして気づいたら、間柴がまた別の誰かと試合してみたいな感じで、どのキャラも主人公とはまた別の場所でどんどん成長しながら話が広がっていくんです。一歩を軸としながらも、それこそ、どのキャラも全員主人公なんじゃないかって思うぐらい深堀りされていて、それぞれのキャラがそれぞれの人生を生きている漫画だと思います。現実世界でも、もちろん自分というのが軸にありながらも、自分以外の人もみんな、その人の人生の主人公で、それが絡まり合いながら自分の人生ができていると思うんです。そういう意味で『はじめの一歩』はまさにいろんな人の人生が絡み合う人生というものが凝縮された作品だなと思います。
2つ目は、人生は華やかな部分だけではないという人生のリアルを描いているところですね。漫画のストーリー的に普通だったら、ここで勝つよね、みたいなことってあると思うんですけど、『はじめの一歩』は一歩という主人公であっても、ここで負けるの!? 主人公補正とか無いの!? ってことが普通にあるんですよ。特に、120巻で一歩がついに新型デンプシーロール完成版を披露したかと思いきや、そこで負けて引退したときは衝撃でしたね。これは漫画じゃなくて、漫画のふりをした人生じゃんってそこで気づきました。一歩が引退してからも、ありがちな突然の覚醒みたいなすごい展開があるわけではなく、裏方としての人生が描かれているんですよね。
現実の僕らの人生もなんでも上手くいくわけじゃないし、勝ったり負けたりを繰り返しながらいつか引退して裏方になってみたいなことってあると思うんですよ。僕たちもいつかこうなるのかもしれないなと、『はじめの一歩』を見ていると深く考えさせられるんですよね。こういう意味でも『はじめの一歩』は他の漫画とは違うリアルな人生の凝縮だと思います。
■Q9.人生の凝縮と称する『はじめの一歩』の作中で特に心に残る名言はありますか?
まず一番に挙がりやすいのが鴨川会長の「努力した者が全て報われると限らん。しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!」(42巻)だと思うんですけど、もちろんその言葉も好きなんですが、僕的に一番刺さっているのは、鷹村の「そこから先は――。人外の者だけが棲む場所だ。人のまま入ってくるな」(109巻)ですね。これは、どの業界であっても言えることだなと思っています。僕らはYouTubeで世界チャンピオンになるみたいな具体的な目標があるわけではないんです。それでも自分たちが作る動画の面白さには妥協したくないって思いは強くあって。ただ、頭ではこれをすれば面白いとわかっていても、辛すぎてやりたくないって時もあるんですよ。自分の排泄物を洗って使う動画とか……(笑)。そういう動画って、それこそ人のままじゃやってらんないんですよね。ここで諦めて引いちゃう人も、もちろんいると思うんです。ゆるくやっていこうっていう感じなら、もちろん問題ないんですけど、でももし、本気でやるなら、そこを人外になってでもやり切るっていうのが大切だと思うんです。人外になってでもやろうって取り組んできたからこそ、きっと僕たちの今のファンがいるんだと思います。

■Q.10最後に、マガジン読者へメッセージをお願いします!
日々うまくいかなかったり、負けたりとかいろんなことがあると思います。そこで頑張れば、何とかなることもあるし、ならないこともあります。きっとそれが人生です。ということを教えてくれるのが『はじめの一歩』だと思います。『はじめの一歩』を読めば、ずっと勝てるわけじゃない、それでも努力して前向きに進んでいこうと思わせてくれます。壁にぶち当たった時こそ144巻分読んでみてください! 144ってすごいいかつい数字なんですけど、ここで立ち止まらず読んでみてください。こんなに読みやすくて、読み始めたら止まらない144巻はないです!!
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ぜひ周りの人にも教えてあげてください!
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