突然ですがみなさん、こわい話は好きですか?
暑い夏には、思わず身体が冷えちゃうような物語に入り込みたくなるもの。
僕もこわ~いサスペンス作品で暑さをしのごうかなと思ったら……
なんと! マガポケで大好評連載中のノアールサスペンス『降り積もれ孤独な死よ』の実写TVドラマが放送中だというじゃないですか!!
今回は、TVドラマから『降り積もれ孤独な死よ』にハマったという方や、この機会に原作の漫画を読み始めようという方々のために、本作を深掘りしていきたいと思います!
ぜひ、『降り積もれ孤独な死よ』が描く唯一無二の世界観をご堪能ください!
●『降り積もれ孤独な死よ』はこんなお話!
2006年、某日――
丘の上にひっそりと佇む、とある大豪邸で、窃盗事件が発生します。
近所の人からの通報で荒らされた屋敷に駆けつけた警察は、争った形跡がないことから、家主の留守を狙った“空き巣”と判断。このまま、単なる窃盗事件として処理されると思われたのですが――
捜査に参加していた自称エリート刑事・冴木仁(さえき じん)が1枚のDVDを発見したことから、事態は急展開を迎えます。
そのDVDには、屋敷の地下室に監禁された子どもたちが餓死していく映像が記録されていました……。
部屋の隅に積み上げられた子どもの死体は13体。どの亡骸も骨と皮だけに瘦せ細っており、百戦錬磨の刑事ですら顔を背けてしまうほどの凄惨な様相が映されていたのです……。
実際に屋敷の地下室を確認したところ、子どもたちの遺体を発見。
警察は、消息を絶っている家主の灰川十三(はいかわ じゅうぞう)を「逮捕・監禁」「死体遺棄」の容疑で全国に指名手配。捜査員は灰川の身柄確保に全力を傾けるのでした。
中でも、幼年期に父親から虐待を受けていた冴木は、子どもを傷付けた灰川に対して怒りをあらわに。自身の手で灰川を捕まえることに執念を燃やします。
そんな中、冴木刑事たちの前に、“灰川十三の娘”を名乗る女性・蓮水花音(はすみ かのん)が現れました。
花音は灰川を「父」と呼んでいますが、本当の親子ではありません。
幼い頃、母親の育児放棄で貧困に喘いでいたところを灰川に救われ、それ以来、花音は血の繋がりがない灰川を“父”と慕い、事件のあった屋敷で8年間一緒に過ごしたというのです。
13人もの子どもを殺したと疑われている行方不明の灰川。そんな男が、虐待を受けていた幼い花音に近づいた目的はいったい何なのでしょうか?
本当に花音を救うためだったのか、それとも、地下で発見された子どもたちのように殺害するためだったのか……。
ここからは、謎だらけの人物・灰川十三という男について、その人物像に迫っていきたいと思います!
●調査その① 監禁死体遺棄事件の第一容疑者・灰川十三の“素顔”とは――?
13人の少年少女が殺害された監禁死体遺棄事件の被疑者となった灰川十三は、謎に包まれた人物です。
年齢は46歳。
顔の半分近くを覆う大きな傷があり、頭はスキンヘッド。常に全身黒尽くめの格好という不気味な風貌をしています。
まさに“死神”という呼び名がぴったりで、とても子どもに好かれるとは言い難い見た目です。
その経歴も謎だらけで、働いているのかすら不明。現在住んでいる大豪邸は、灰川が20代の時に買い上げたらしいのですが、購入資金の出所もわかっていません。
不可解なのは、屋敷の至る所に置かれている花がすべて“造花”で、飾られている絵画「我が子を食らうサトゥルヌス」も“贋作”と、全部“偽物”であるところ……。あえて偽りの物ばかりを置くのは、灰川の謎めいた過去に関連しているのでしょうか?
そして、その大豪邸には計19人の子どもが住んでいたようですが、子どもたちは全員、灰川と血の繋がりがありませんでした。
しかも、灰川が養育していた少年少女たちは皆、親から虐待を受けていた子どもだったこともわかりました。どのようにして虐待されている子どもを見つけていたのか、そして、何故虐待されている子どもに声をかけていたのか、疑問は尽きません。
さらに、13体の遺体はすべて、間違いなく灰川が養育していた子どもたちであったことが判明。
屋敷に飾られていた絵画「我が子を食らうサトゥルヌス」のように、灰川が彼らを手にかけてしまったのでしょうか……?
●調査その② 子どもたちに惜しみない愛情を注ぐ真意とは――?
19人の子どもたちと一緒に暮らしていた灰川ですが、子どもを引き取った理由は、どうやら虐待されている子どもを救いたいという一心からだったようです。
灰川は、虐待されている子どもを見つけてはその子のもとへ幾度となく足を運び、手を差し伸べていました。それも、ただ保護するのではなく、少しずつ信頼関係を築きながら、その子が一人でも生きていける術を教えていたのです。
その子が生きるために必要なら、“万引き”のような世間一般のルールを破る行為であっても、身につけさせていたといいます。
「ルールは自分で決めろ」
“みんなが決めたルール”に守ってもらえなかった者には、“自分が決めたルール”が必要ということなのでしょうか……?
そのように自分たちのことを真剣に考えてくれる灰川のことを、子どもたちは「お父さん」と呼び、全幅の信頼を寄せていました。
灰川も子どもたちに寄り添い、分け隔てなく愛情を注いでいたのです。悪夢にうなされた子をそっと抱きしめて安心させようとする灰川の姿は、正に“優しいお父さん”そのもの……。
その信頼関係は現在も崩れておらず、灰川が養育していた子どもたちの中で生き残っている者のほぼ全員が、灰川の無実を主張しています。
ただ、灰川は、4年前に突然、人が変わったように家族全員を遠ざけはじめたといいます。子どもたちとの同居生活も、そこで突如として終わってしまいました。
4年前、彼の身に何かが起こったのは間違いなさそうですが、家族を遠ざけた理由が今回の監禁死体遺棄事件に関わっているのでしょうか――?
●調査その③ 罪を認めた灰川十三は本当に犯人なのか――?
捜査開始当初、灰川の居場所に手がかりがなく、身柄の確保は難航すると思われていました。
しかし、パトロール中の警官が、屋敷周辺を歩いている灰川を偶然発見! その場で緊急逮捕したことで、事件は一気に動き出します!
逮捕後の取り調べで、灰川はあっさりと自供。捜査員が拍子抜けしてしまうほど、想定外のスピード解決となったのです。
ですが、あまりにも出来過ぎた灰川の逮捕・自供の流れに違和感を覚え、「灰川はわざと逮捕されたのでは?」と疑う者も……。
冴木は「灰川が捕まることで捜査を一旦打ち切らせ、共犯者が犯行しやすくするため」、もしくは「真犯人を庇って逮捕された」と推理します。誰かの身代わりという可能性は大いにありそうです。
そんな中、刑務所に入った灰川が、絡んできた受刑囚とトラブルに!
刑務所でよく見られる新人いびりで、「子供をいっぱい殺したんだって?」とからかわれたのですが――
何を思ったのか、灰川はその受刑囚の眼球をくり抜いてしまったのです……!!
受刑囚の言葉が余程気に障ったのでしょうか。それとも、敢えてトラブルを起こしたのでしょうか……?
そして、このトラブルがきっかけで、事態は予想外の展開へと向かっていきます……。
眼球をえぐられた受刑囚からの報復により、灰川が殺害されたのです……。
首を掻っ切られた灰川はその場で絶命。
こうして、さまざまな謎を残したまま、灰川はこの世を去ってしまいました……。
逮捕されてから殺害されるまで、彼の行動には不審な点が幾つも見られます。
灰川がどのような考えを持って行動していたのか、監禁死体遺棄事件の全貌を解明する中で、自ずとわかってくるのかもしれません。
果たして、監禁死体遺棄事件の犯人は本当に灰川十三なのでしょうか? それとも別に真犯人が存在するのでしょうか……!?
被疑者の死亡で事件の解決はより困難となりましたが、一刻も早い真相の解明が待たれます!!!
TVドラマの放送もスタートし、ますますの盛り上がりを見せる本作。謎が謎を呼ぶ衝撃展開で読む者の心を掴んで離さない『降り積もれ孤独な死よ』は、ぜひマガポケでチェックしてくださいね!
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