緊張感というものがある。冷たい空気が張り詰めてピーンとしている状態だ。気まずい時や失敗できない時にそれは発生する。空気が冷えてどうしたらいいのか分からない状況。
流石景氏のマンガ「ドメスティックな彼女」にもそのような緊張感がある。初体験の相手が父親の再婚相手の娘で、さらに実は初体験の相手の姉が好きでなど、緊張感だらけなのだ。そんな緊張感を味わってみたいと思う。
気まずい状況=緊張感
緊張感にもいろいろある。大切なプレゼン前やテスト前の緊張感はいい緊張感と言える。逆によくない緊張感もある。二股がバレたとか、つまらないことで喧嘩したとか、そうような時にも緊張感は発生する。
週刊少年マガジンに連載されている流石景氏のマンガ「ドメスティックな彼女」も緊張感の連続だ。冷たいピーンとした緊張感が張り詰めている。あらすじだけでもその緊張感はわかると思う。
主人公の夏生は高校教師の陽菜が好きだけれど、合コンで知り合った瑠衣と肉体関係を持つ。後日、夏生の父親の再婚相手が瑠衣の母親で、瑠衣と陽菜は姉妹と判明し、一緒に住み始め、夏生は陽菜と付き合い出し、いろいろあり、瑠衣と付き合い始める。緊張感がヤバい。ヤバすぎる。
冷たい空気がピーンは張り詰め、緊張感がマックス。なかなかこの緊張感は味わえないと思う。しかし、読んでいるとその冷たい緊張感を味わいたいと思うようになった。しかし、私には陽菜も瑠衣もいない。そこで行くことにした。
マイナス30度の緊張感
夏生みたいな状況での冷たい緊張感を味わいたかったけれど、それは無理だ。そこで物理的な冷たい緊張感を求めて、アラスカにやってきた。間違いなく冷たい。たぶん夏生と同じくらいの、死ぬんじゃないか、という緊張感がある。
全てが凍っている。空気は冷たいを通り越して、痛いというのが的確だ。だってマイナス30度だもの。温度計の数字が足りていない。寝ている陽菜にキスをしようとするところを瑠衣に見られた時の夏生はきっとこんな気持ちだったと思う。
ドメスティックな彼女は、極寒の地でもマンガアプリ「マガポケ」で読むことができる。ただ普通のスマホでは、寒すぎて動作保証外。それくらい寒いのだ。なので、auの「TORQUE G03」で読んでいる。これ温度耐久に優れていて、さらに普通の手袋をつけたままでも操作できる。
そんな状況下で「ドメスティックな彼女」を読んでいたら、どんどん体は寒くなった。緊張感がすごい。夏生の気持ちを理解できた気がする。ただ物理的に寒すぎる。どうにか温かくなりたい。そこで、ドメスティックな彼女の温かいシーンで温まろうと思う。
かき氷を食べる
第82話で小説に行き詰まる夏生を瑠衣が励ますという、心温まるシーンがある。実に温かいシーンだ。瑠衣は夏生が好きだけれど、まだ付き合ってはいない。そんな状況で夏生を励ます瑠衣というのが実に温かいシーンなのだ。
瑠衣が夏生を誘い、美味しいかき氷を食べに行くのだ。これで夏生は小説家として一歩進むことができるという大切なシーンだ。これで私も温かくなれるのではないだろうか。冷たいかき氷が実は温かくさせるという逆転の発想だ。
びっくりしたね、食べて。スプーンが金属製だったのだけれど、下唇にくっつくの、寒すぎて。もちろんかき氷も冷たい。体を中からも冷やした。とても冷やした。夏生みたいに新たな一歩を踏み出せない。ここで動けなくなるかと思った。アラスカでかき氷はダメだ。
イチャイチャだ!!!
ドメスティックな彼女では夏生と瑠衣や陽菜がイチャイチャしているシーンがたくさんある。とてつもない緊張感の後にやってくるそのようなシーンは温まる。キスをしたり、ハグをしたり。とても羨ましい。アラスカで温まるにはこれではないだろうか。人肌こそが重要なのだ。
素晴らしではないか。これだ、これ。絶対に温まるに決まっている。ハグやキスで愛が生まれ、心も体も温かくなるのだ。これをすれば、たとえアラスカとて温かくなるに決まっているのだ。すぐにやらねば。
どうだろうか、私が女性と抱き合っている。ドメスティックな彼女のような心温まるハグだ。極寒の地で二人抱き合い暖をとることで、物理的にも温かくなり、愛も燃え上がるのだ。陽菜と夏生も燃え上がっていた。
問題は私が一人なことだ。私には陽菜がいないのだ。高校教師がいないのだ。抱き合いたいのに。イニシャル入りの指輪をもらいたいのに、一人だから抱きしめられないのだ。そこでカツラを使ってそういう写真を撮ってみたいのだ。その結果、写真の中では熱々だ。
まだあきらめてはダメだ。キスがあるではないか。ドメスティックな彼女では、もう挨拶代わりのようにキスをしている。瑠衣と夏生が普通にキスをする。キスのハードルってこんなに低かったけ? と思うほどにキスをする。これだ。キスで温まるのだ。
キスのポイントは男性から一方的にするのではなく、女性も積極的なキスだ。瑠衣もそのようなキスをしている。愛しているだけではなく、愛されていると感じ温まる。そのようなキスを私もしたのだ。彼女が私のほっぺに手を添えているのがわかると思う。
カツラを持って、三脚を使い、ピンク色の手袋をつけ、一人でキスの写真を撮った。そりゃ、私だって本当にキスをしたいよ。でも、相手がいないんだもん。こうするしかない。写真は確かに温かいが実際は微塵も温かくなかった。寒かった。
祭りだ
かき氷、イチャイチャと続けて寒い。ドメスティックな彼女では緊張感の中に温かさがあり、その緩急が目の離せない展開になっているのだけれど、アラスカは緊張感しかない。ずっと寒いのだ。そろそろ温まりたい。
祭りである。第79話で夏生を瑠衣が一緒に商店街のお祭りへ手伝いに出かける。瑠衣が輪ゴムで髪をまとめるところに、夏生がドキっとする大切なシーンなのだけれど、ポイントはそこではない。
夏生たちの行きつけの喫茶店「ラマン」の店長が祭りに熱くなっている。だって、この格好だもの。祭りとは人を熱く狂わせる何かがあるのではないだろうか。32話でも祭りに出かけた陽菜と夏生が手をつないでいた。祭りは人を熱くするのだ。
祭りが人を熱くするのではないかと、法被に着替えたけれど、マイナス30度の世界での法被は冷たい空気がダイレクトに肌に触れ、寒くて死ぬかと思った。マンガでは確かに熱くなっていたけれど、アラスカでは通用しないようだ。私はまた一つ賢くなった。
第109話で夏生たちが文化祭で和をテーマにした喫茶店を開く。瑠衣や夏生が和装で文化祭を歩き、夏生が瑠衣へと告白する大切なイベントだ。文化祭は熱くなるのだ。和装を私は持っていないのだけれど、近いものを持っている。これだ!
夏生たちのような和装はなかったけれど、ちょうど法被を持っていた。これだ! と思って着替えたのだけれど、驚くほど寒かった。さっき賢くなったと思ったのだけれど、忘れていた。人は忘れていく生き物なのだ。陽菜はまだ夏生を忘れていないけど。
あーんだ!
パーフェクトに寒かった。法被ってアラスカで着ちゃダメだね。どんどん体が冷えるもの。そこで第121話だ。瑠衣と夏生の初めてのデートが描かれている。一緒にハンバーガーを食べるシーンが最高に温まるのだ。
夏生がポテトを加えて瑠衣がパクっと食べる。最高に熱い。さらにその後、夏生の口にたくさんのポテトを瑠衣があーんするというシーンがあるのだけれど、カップルのこのようなじゃれあいが好きだ。温まるじゃない。
これをやりたい。これをやれば温まるはずだ。ということで、ポテトを買いに出かけたら、マクドナルドがしまっていた。寒い。マックってしまっていることあるんだね。この時点でさらに寒くなったけれど、別のお店でポテトのような「プリッツェル」を見つけた。それをあーんしてもらおう。
こういうじゃれあいこそが、人を熱くするのだ。見ていて羨ましくなる。それがドメスティックな彼女にはあり、それを私は極寒の地で再現できたということ。彼女がいれば、極寒の地でも温かいのだ。
全然温かくならなかった。むしろ手袋を外して、手にファンデーションやマニキュアを塗ったので、寒さが増した。写真は温かいけど、現場は寒かった。ドメスティックな彼女は確かに温かいけれど、アラスカはそれを超えて寒かった。夏生以上の緊張感を体験できたのではないだろうか。
温かい部屋で緊張感
ドメスティックな彼女の空気感を物理的に感じたくてアラスカに行った。本を持っていくのは大変だけれど、マガポケならどこでも読める。ただめちゃくちゃ寒かった。やはり温かい部屋で読むのが正解。ちなみに私は瑠衣派なんだけど、陽菜もかわいいんだよね。
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