別冊少年マガジンで大好評連載中の「100万の命の上に俺は立っている」の奈央晃徳先生に映画を2本オススメしてもらいました! 前編ではアカデミー賞で4部門で受賞したあの名作を紹介します!
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名作・駄作・カルト作。アクション・SF・ラブコメディ。映画はいろいろあるけれど、まだ観てない映画をもう1本。
紹介された映画が気に入ったら、オマケで編集部のオススメのもう1本もご覧くださ〜い!!
さて今回の推薦者、
『100万の命の上に俺は立っている』漫画の奈央晃徳先生オススメの映画、
1本目は
『英国王のスピーチ』だ!!
1925年、大英帝国博覧会閉会のスピーチを、父親であるイギリス王ジョージ5世からやらされる次男のヨーク公アルバート王子(のちのイギリス王ジョージ6世。現在のエリザベス女王のお父さん。演じるのはコリン・ファースだ)は、原稿を手に、ブツブツとつぶやきながら落ち着かない。
それというのも、彼には吃音症があり、人前で話をするのがものすごく苦手なのだ。
吃音症というのは、言葉がなかなか出てこなかったり、滑舌が悪くなる疾病である。
満場のスタジアムでスピーチを始めるアルバート。
しかし結果は散々。スピーチはカミまくりで、言葉が出ず、沈黙する時間もしばしば。周囲が失望する様子は、アルバートの心を深く傷つける。
アルバート王子を演じるコリン・ファースは、ハンサムなのだが、なんか地味で、そのせいか女に振られる男の役がやけに多い役者である。女性から、〝いい人なんだけど……〟って言われちゃうタイプ。
3年前(2015年公開)に公開された『キングスマン』では、あっと驚くアクション俳優ぶりを見せ、続編の『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2018年公開)が待たれるコリンなのだが、女性ファンが押し寄せたという噂は聞かない。男には好かれるタイプである。そしてノーブルな英国紳士役がぴったりなシブい役者でもある。
さて、アルバートはなんとか吃音症を治そうと皇室御用達ドクターの治療を受けるのだが、うまくいかない。
あきらめムードになった時、妻エリザベス妃が見つけたのは、植民地(オーストラリア)出身の平民である言語療法士のライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)だった。
2人が彼を訪ねると、治すには信頼と対等な立場が必要だと言う。
アルバートを家族間での愛称であるバーディと呼び、王子を怒らせるが、気にする様子もなく、シェイクスピアを読むように言う。しかもヘッドホンで大音響の音楽を聞かせながら。
アルバートは、最初は言われた通りに読んだものの、こんなやり方は私には無理だと帰ろうとする。するとライオネルは、シェイクスピアを読むアルバートの声を録音したレコードを、無料ですと渡すのだった。
一方、イギリス皇室は、問題を抱えていた。王位第一継承者であるデイヴィッド皇太子のスキャンダルである。
なんとこの皇太子は2度の離婚歴のあるアメリカ人女性と交際していたのである。
個人的な意見だがヨーロッパの皇室ってなんとなくスゴイ気がする……。
さて、そうなるとプレッシャーをかけられるのはアルバートである。
兄の代わりに国王になれと言われたら……イライラする彼は、自虐的に自分の声を録音したレコードを聴く。すると、なんとそこには、スラスラとシェイクスピアを読む自分の声が録音されていたのだ!!
それから、アルバートとライオネルのヘンテコなトレーニングが始まり、身分を超えた友情が芽生えてくる。
幼い頃から無理を強いられた孤独な王子は本物の自信〈プライド〉と友を必要とし、ライオネルは自分を王子と対等な存在だと言いながら、王子に偉大な人物になって欲しいと願う平民。
反発しあいながらも、2人は気づく。与え合うことが出来る友情こそが本物である。そして彼らは与え合うのである。
ラスト9分間の国王のスピーチは、2人の素晴らしい共同作業である。
(※この記事は別冊少年マガジン2017年11月号に収録されたものです)
▼『100万の命の上に俺は立っている』奈央晃徳推薦映画紹介!「別マガムービーガイド」(後編)はコチラ!
(後編を引用)
▼『100万の命の上に俺は立っている』第1話がWEBでも読める!
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(終わり)