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本年No.1”ヤバイ漫画”=”ヤバマン”はこれ! 『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』

ライターの間野です。

 

ちょっと前の話で恐縮ですが、マガポケのマスコットキャラの名前が決定したそうですね。名誉編集長「ポケ助」。

 

私も大好きな講談社のマンガにちなんで「マガつポケ斗」で送ったんですが、みごとにかすりもしませなんだ。なぜでしょうね。

 

マガジンじゃなくてアフタヌーンのマンガ由来だったせいでしょうか。

 

青年漫画界を真昼の太陽のごとく照らす雑誌はアフタヌーンですが、かたや現代少年漫画界の無名街といえばわれらが週刊少年マガジン。


週マガではエロくてグロくて瑞々しく活力に溢れるマンガたちが、誰よりも高く跳ぶために今日もどったんばったん大騒ぎです。

 

が、いくら健全なエログロの受け入れ国マガジンであっても、入国拒否せざるをえない武装ゲリラ集団的特級エグヤバアウトローマンガも時にはございます。


そんな”ヤバマン”はどこへ流れ着くか?
そうです、ここです、俺たちのアンダーグラウンド、マガポケです

 

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『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』

 

やー、タイトルからしてエグいですね。
悪魔ですよ。僕ら=悪魔ですよ。

こわいに決まってる。

 

だって、悪魔が主人公のマンガって言ったらたとえば、そうですね、『よんでますよ、アザゼルさん。』とか……ンンー?

 

タイトルで悪魔呼ばわりされてるくらいだから、主人公はどれだけの凶相かと思いきや

 

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おや、さわやか高校生男子。

 

いや、外見だけじゃわかりませんよ。「外見は天使、中身は悪魔」も世の中には多数おります。

 

彼の本作第一声に耳を傾けましょう。

 

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はい、ボンクラですね。

これは間違いなくイイかんじのやつです。

悪魔なわけじゃないですか。タイトルに偽りアリでしたね。終了。

『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』、開始三ページにして完結ッ!

 


いやいや待ってください。

天下のマガポケがうそをつくはずがありません。

タイトルを今一度よく読んでみましょう。

「呼んだ頃」――過去形ですね。


ところで主人公の彼、記憶喪失らしいんですよ。

高校入学以前の記憶がごっそり抜け落ちてるんだかとか。十四年分。

ほぼ赤ちゃんですね。
 
これは何かありますね。

ミッシングリンクに潜む不吉な予感がビンビンですね。

 
さて、第一話にして彼の中学時代を知る人物がさっそく出てきます。

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いいヤツそうですね。


いいヤツそうですが、
こいつがこれから数ページもしないうちに、

 

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ボコってきやがります。

 

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うわあ……。


ニワトリが理不尽に人を食うマンガなどで溢れるマガポケとはいえ、清く正しい青少年たちのための雑誌です。

理由もなく他人を殴っていいわけがありません。

殴られるほうには殴られるだけの理由があるはずです。

 

主人公が殴られた理由。
それは、彼が「中学時代、学校の支配者であり凄惨なイジメの総元締めだった」せいらしいのです。

 

根性焼きなど序の口で、カツアゲ、レイプ、肉体的拷問……並の中学生が行える「イジメ」を軽く逸脱した極悪人だったそう。

 

っていうか、それ、犯罪者では。

 

しかし中学時代の悪行をつきつけられたところで、主人公にはマジで記憶がないものですから戸惑うばかりです。

 

彼も時々なんだかよくわからないグロい夢は見ることはあるのですが、まさか自分が人殺しとまでは……まさか……?
 
戸惑ってるうちに過去=中学時代の同級生が堰を切ったように彼の前へ現れます。そして言うのです、おまえは悪魔だったと。

 

もしかしたら自分は本当に殺人者だったのかもしれない。

失われた中学時代の人格と現在の善良でボンクラな自分とのあいだで相克する主人公、そんな彼のもとに「かつての相棒」を名乗る謎の顔の良い男、会澤が現れます。

 

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なかなか個性的なお手々の持ち主ですね……。

これも主人公がやらかした悪行のひとつらしいのですが……?

会澤は主人公が犯したかもしれない最大の罪、すなわち殺人が実際に起こったのかどうかをいっしょに検証に出かけます。

 

その先に待ち受けるのは過去という名の無明の闇……。

 

古馴染みの知り合いから「昔、こんなこと言ってたよね? やってたよね?」と問われて、まったく心当たりがなくてゾッとする。

そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

 

そして、つい、「自分は本当にそんなことを言ったのか、やったのか」と相手に聞き返してしまう。

時には「そんなことやった覚えはない」と意固地になって否定する。

たとえ、それが取るに足らない言動であったとしても、です。

 

恐怖の根源は、昔あった事実そのものではないのかもしれません。

自分が認識している「自分」と、他人が指摘する「自分」が一致しない――その噛み合わなさに人は不安をおぼえるのではないでしょうか。


他人が「自分の知らない自分」を知っているのなら、なおさらです。
他人の語るあなたは本当に「あなた」なのでしょうか?
あなたのイメージするあなたは本当に「あなた」なのでしょうか?

 

「あなた」は果たしてどこにいるのでしょうか? 


エクストリームな謎に満ちた物語、エクストリームに個性的なキャラクター、エクストリームな描写。

 

『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』は、マガポケでしかおがめない極北サスペンスでございます。

 

 

▼『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』は毎週月曜更新!

 

▼第1話はWEBからも読めます。

pocket.shonenmagazine.com

 

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(ライター:間野久)