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“カッコいい”がてんこ盛り! 『WIND BREAKER』にいさとる先生インタビュー

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「マガポケ」で大人気連載中! にいさとる先生の『WIND BREAKER』は、超不良校として名高き風鈴高校のトップを目指して街にやってきた桜遥が、“防風鈴”(ボウフウリン)と名付けられた街を守る集団の一員として成長していくバトル漫画!

 

今回は、待望の単行本1巻発売を記念して、本作の誕生秘話や裏話、にいさとる先生の“カッコいい男の子”へのこだわりなど、『WIND BREAKER』の見どころを伺いしました!

 

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●「週マガ」で育った“カッコいい男の子”へのこだわり

――漫画家を目指したきっかけをお伺いできればと思います。小さい頃に影響を受けた作品があれば教えてください。

 

にいさとる先生:
小さい頃から、父が愛読していた「週刊少年マガジン」が家にあったんです。それを読んで育ったところがあると思います。その中でも真島ヒロ先生の『RAVE』や、上条明峰先生の『SAMURAI DEEPER KYO』が大好きで、読んでいるうちに自分も漫画を描いてみたいと思うようになりました。

 

――漫画賞に初めて応募されたのはいつ頃でしたか?

 

にいさとる先生:
19歳の時です。大学2年生に上がる前の春休みに原稿を描いて、春の新人賞に持ち込みました。それが初めて本格的に描いた漫画になります。それまで描く意欲はあっても、部活や受験などもあって、なかなか形にできなかったんです。

 

――そのとき描かれたのは、どんな漫画でしたか?

 

にいさとる先生:
新人賞に持ち込んだのは『うらまれ屋』というダークファンタジーでした。その頃はダークファンタジーしか描いたことがなくて……前の連載で初めて現代のスポーツものを描きました。

 

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▲にいさとる先生の前の連載作『男子バド部に女子が紛れてる シークレットバドミントンクラブ』

 

――ダークファンタジーに思い入れがあったんでしょうか?

 

にいさとる先生:
『鋼の錬金術師』が好きだったんです(笑)。新人賞に応募していた時は、ダークファンタジーものを真似してたくさん描いていました。

 

――『RAVE』や『SAMURAI DEEPER KYO』から影響を受けたところはありますか?

 

にいさとる先生:
“カッコいい男の子”たちが活躍する話が好きだったんだと思います。最初は無意識だったんですが、前作の連載中に担当さんから「得意分野はそっちだよね」と言われて気が付きました(笑)。今でも、カッコいい男の子を描いているときが一番楽しいです。

 

●とにかくカッコよくて気持ちいいものを描く!

――『WIND BREAKER』ができるまでの経緯を教えてください。

 

にいさとる先生:
前の連載が終わってから次の作品を考えたとき、担当さんからスポーツものは狙い目ということで、もう1回バドミントンものを描こうとしてみたんです。

 

――バドミントンをテーマにしたのは、先生の経験をもとにされているんでしょうか?

 

にいさとる先生:
小中高とバドミントンをやっていたので、経験があるから描きやすいかなと思ってバドミントンの企画を出しました。ただ、なかなか上手くいかなくて……どうしようかなと悩んでいたときに、カッコいい男の子が出てくるアニメや映画をたくさん見て、それが今作の下敷きになっています。

 

――それで“不良もの”になったんですね。

 

にいさとる先生:
そうですね。でも、描いている男の子たちは “不良の子”というよりも “喧嘩をする子“みたいな意識が強いかもしれません(笑)。とにかくみんなカッコよくて、読んでいて気持ちいいものを作りたいと思っています。

 

●主人公は描いていて楽しいビジュアルに

――“防風鈴”のメンバーなど、各キャラクターのモデルはいますか?

 

にいさとる先生:
モデルはいないですね。主人公の桜遥(さくら はるか)は、彼のコンプレックスが外見からわかるようにしたくて、目と髪の色を特徴的なものにしました。髪を白黒にしたのも、他の子との違いがわかるように、主人公だとひと目でわかるようにと考えて今のデザインになりました。

 

――桜の目にも理由が?

 

にいさとる先生:
オッドアイはカッコいいからです(笑)。

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――桜のキャラクター作りで難しかったところはありますか?

 

にいさとる先生:
桜をイケメンにしていいかどうか、打ち合わせの議題になったことがありました。あまりにもカッコいいと毛嫌いされてしまうんじゃないかというのと、読者が共感できるように、もっと芋っぽいほうがいいんじゃないか……とか。でも、桜のキャラと表情がもう紐づいていたので、最終的に「私が描いていて楽しいから」と言って、担当さんに納得してもらいました(笑)。

 

――ことはさんはどんなふうに生まれたんですか?

 

にいさとる先生:
もともと作中に女の子は出てこない予定だったんです。でもそれだとストーリーを展開しづらくて、最初に桜くんがカッコよく女の子を助けるシーンを持ってこようと思い、ことはが生まれました。弱々しい子だとこの街じゃ生きていけないから、不良に絡まれてもひるまない強気な女の子になりました。

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――“防風鈴”のナワバリとして描かれる商店街にはモデルがあったりするんでしょうか?

 

にいさとる先生:
都内のとある商店街をモデルにしています。そこは古い建物も残っているレトロな雰囲気の商店街で、町の入口に看板があるところなんかも、参考にさせてもらいました。

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――植物がたくさん植えられている喫茶店の雰囲気も印象的でした。

 

にいさとる先生:
“防風鈴”のチームカラーが「緑」で、街のイメージが草木なんですよね。街ごとにイメージがあった方がいいなと思って、“防風鈴”と敵対する“獅子頭連”は飲み屋の赤ちょうちんをイメージしています。

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●最初は“防風鈴”のリーダー・梅宮が主人公だった⁉

――他のキャラクターはどのように生まれたのでしょうか?

 

にいさとる先生:
最初は“防風鈴”リーダーの梅宮を主人公にしたかったんです。だけど、外からの目線がないとストーリーが作りづらいので、街の事情を知らない外から来た桜を主人公にしました。

 

――梅宮が作品の出発点だったんですね。

 

にいさとる先生:
そうなんです。梅宮みたいなキャラを描きたかったので、早く登場させたくて仕方なかったんですけど、出すタイミングを担当さんと相談して、満を持して登場させました。

 

――4話の初登場時は新入生に向けた校内放送で、声だけの出演でしたね。

 

にいさとる先生:
初期のネームだと2話で出していたんですが、それを6話まで我慢しました(笑)。

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――梅宮が登場した6話の最後は印象的でした。

 

にいさとる先生:
初期案は梅宮を主人公で考えていたので、桜は最初“防風鈴”の四天王にいたんです。そのときは、もっと空っぽで虚無みたいな子だったんですけど、次第にトップの梅宮を目指す熱いキャラになっていきました。

 

――梅宮を取り巻く四天王はすんなりと決まったんですか?

 

にいさとる先生:
紆余曲折ありましたね…。桜の直属の先輩に当たる柊は、元々四天王のひとりじゃなくて、その部下みたいなポジションだったんです。でも、桜を助けた柊をもう一度出そうと考えたときに、四天王に昇格させようとなりました。

 

――桜の同級生組はどうでした?

 

にいさとる先生:
初期案ではいなかったのですが、楡井の誕生で、話の進行がすごく楽になりました。高校デビューでケンカも弱い、だけど “防風鈴”に憧れて風鈴高校への進学を決める、一般人の目線に立ってくれるキャラなんです。彼が出ると話が明るくなりますし、良い回し役になってくれています。ファッションが好きな子なのですが、ちょっと無理してるときもありますね…(笑)。

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――杉下や蘇枋はいかがですか?

 

にいさとる先生:
杉下は、桜のライバルとして登場させています。梅宮を妄信している“梅宮信者”。“外”から来た桜に対して、杉下は“内”の代表という構図です。蘇枋は見た目が派手で、何を考えているかわからない子にしたくて。また、裏設定もいろいろ考えています…!

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●1話のネームで大苦戦! “ツンデレ桜”が生まれるまで

――先生のお気に入り回はありますか?

 

にいさとる先生:
屋上で野菜の苗を育ててる梅宮が登場する回(7話)は、描いていて楽しかったですね。ネームから担当さんの評価も良かったですし、マガポケのコメント欄に「鉄腕! DASH!! 兄ちゃんだ」というのもあったりして(笑)。最初は「怖い」と思わせておいて全然違うっていうのをやりたかったので、そういう反応をもらえたのは嬉しかったです。

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――逆に、大変だったシーンはありますか?

 

にいさとる先生:
1話のネームは時間がかかりました。思い返すと、3話までは結構しんどかったですね……。

 

――どのあたりが難しかったのでしょうか?

 

にいさとる先生:
桜のキャラが定まらない時は、どうしたらいいのかわからなくて。初期案の桜にあった「虚無」みたいなところから「主人公」にしていくのが大変でした。初期案だと人間らしさが感じられなかったので、誰かから褒められたり、感謝されたりして恥ずかしがる、というのを入れたりしました。

 

――確かに赤面するシーンが多いですね。ツンデレっぽいところもあったり。

 

にいさとる先生:
はい。完全にツンデレです(笑)。

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――担当さんと桜のキャラを深掘りしていった感じですか?

 

にいさとる先生:
キャラの話はたくさんしました。そんなに多く設定は決めていなくて。幼少期に人から避けられてて一人ぼっちだったから、あんまり人に慣れてないし、話すことも苦手というくらい。でも、そこから桜が強いやつを好きな理由や、なんで喧嘩しているのか、そういったことを踏まえて、彼がなんでそういう考え方をしているのかを詰めていきました。

 

――そうして今の桜が生まれた?

 

にいさとる先生:
そうですね。でも、これからどんどん変わっていくと思います。最初は一匹狼だったのが、梅宮と出会って「自分とは何が違うんだろう」と考えながら。

 

――今後の展開をお伺いできたらと。

 

にいさとる先生:
まだふわっとした構想ですが、これから他のチームも出てきて、どんどん盛り上がっていくと思います。ラストもなんとなく考えているので、最後まで応援してもらえたら嬉しいです。

 

――最後に「マガポケ」読者へのメッセージをお願いします。

 

にいさとる先生:
これからも、“カッコいい男の子“が続々登場します! 楽しみにしていてもらえれば嬉しいです!

 

 

ぜひ周りの人にも教えてあげてください!

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