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〜漫画家を目指すキミに贈る〜漫画家(プロ)への花道 渡辺静先生&流石景先生に聞く! デジタル原稿の実情とは!!

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週刊少年マガジンに掲載された

漫画家(プロ)への花道を特別に大公開!!

 

今回は、2016年42号に掲載された特別企画をお届けします!

 

 

渡辺静先生&

流石景先生に聞く!

デジタル原稿の実情とは!!

 

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年々増えているデジタル原稿での漫画投稿。

 

その流れに乗って、本誌でデジタル機材を使って活躍している二人にインタビュー!

 

これさえ読めば、キミも今すぐデジタルで漫画が描ける!

 

渡辺静先生

『学舎オーバードライヴ』で第72回新人漫画賞入選を受賞。本誌で『この彼女はフィクションです。』を連載し、現在『リアルアカウント』を連載中2018年9月号《8/9発売》より「別冊少年マガジン」にて移籍連載開始)

流石景先生

『FIND NEW WAY』で第79回新人漫画賞入選を受賞。前作は『GE〜グッドエンディング〜』。現在、本誌で『ドメスティックな彼女』を連載中。

 

 

〜渡辺静先生の場合〜

 

ーーデジタル機材を導入したきっかけは、何だったのでしょうか。

 

渡辺先生(以下、渡辺):周りがデジ タルを導入していたので、なんとなく始めました。駄目ならアナログに戻せばいいや、くらいの軽い気持ちでしたね。

 

 

ーーデジタルの導入には苦労しましたか?

 

渡辺:僕の場合、ほぼ独学でした。慣れるのはすぐでしたが、パソコンには詳しくない人でも、画材として使う分には問題ないと思います。

 

 

ーー作業のどの段階からデジタルで作業をしているんでしょうか?

 

渡辺:下書き・線画はアナログです。ネーム作業と、線画を取り込んでからの仕上げをデジタル環境で行っています。

 

 

ーー今でも線画まではアナログなんですね。

 

渡辺:僕が見る限り、デジタルの線とアナログの線にはまだ違いがあります。アナログの線の方が味がある気がするんです。

 

 

ーーあくまで主線はアナログということですね。仕上げはどの程度までデジタルで行っているのでしょうか?

 

渡辺:導入当初はトーンとベタだけデジタルでしたが、最近は効率面を考えて、書き文字・枠線・集中線などもデジタル化しました。ただ、アナログの筆致が必要な書き文字の場合は今でも紙に書いています。

 

渡辺先生の仕事机がこちら

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使用機材はPC①、ペンタブ②、スキャナ。左の机③でペン入れを、右のPCで仕上げを行っている。 

 

ーー効率面を考えてとのことですが、 デジタルはどういった点で効率がいいのでしょうか?

 

渡辺:仕上げ作業が楽になります。トーンやベタがクリック1つで出来るので。何度も試行錯誤できるというのも重要で、アナログと比べて、どの段階でも修正出来るというのがデジタル最大の利点かもしれません。

 

 

ーー他にも、デジタルが役立つ場面というのはありますか?

 

渡辺:ありますね。例えば、3Dで背景を作って色んな角度で表示させる。『リアルアカウント』でスマホの画面や色々な文字情報を表示するのにもデジタルが便利です。

 

 

ーーデジタル投稿を考えている新人漫画家に向けてメッセージをお願いします。

 

渡辺:デジタルは、良くも悪くも画材の一つに過ぎません。作業を楽に済ませる道具というだけです。食わず嫌いせずに、とりあえず試してみればいいと思いますね。

 

 

〜流石景先生の場合〜

 

ーー流石先生はいつからデジタル環境に移行したんですか?

 

流石先生(以下、流石):『 GE』の頃は全てアナログで、次に描いた読み切りからデジタルを導入しました。今はプロットとネームを紙に描いて、下書きから仕上げまで全てデジタルで作業しています。

 

 

ーー導入した理由というのは何だったんでしょうか?

 

流石:デジタルとアナログでは、ペンタッチや質感の味が違うんですが、自分の作風にはアナログの味が必要ないと考えたからです。あとは利便性ですね。作業の手間がかなり削減されました。

 

 

ーーデジタルだと、アナログと比べてどういった点で手間を削減できるのでしょうか?

 

流石:例えば直線を引くとき、画面上での作業なので、消失点が遠くにあっても楽にパースがかけられます。デジタルが特に活きるのは、背景やトーン作業、修正だと思います。インクやトーンを使わないので、部屋も汚れません。

 

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ブラシ機能を使えば雲や植物も簡単に!!

 

ーー背景以外でも、キャラを描くうえでデジタルが役立つことはありますか?

 

流石:拡大・縮小はよく使っています。キャラが大きくなってしまった時、描き直さずに縮小するだけで済みます。左向きの顔を書く時も、反転機能が役立っています。

 

 

ーーかなりデジタルを使いこなしているように見えますが、慣れるまで時間はかかりましたか?

 

流石:独学で半年くらいかかりました。ソフトの機能をどう使えばいいかが分からなかったんです。ソフトの公式に質問しながら、試行錯誤を重ねました。

 

 

ーー機能以外で、画面に描く違和感などペンに関する苦労はありましたか?

 

流石:違和感は無く、スムーズに移行できました。ただ、線の太さについてはだいぶ試行錯誤しました。 太さと、印刷したときの太さに差があったんです。印刷したものを確認して、ちょうどいい太さを探っていました。

 

 

ーーデジタル投稿を考えている新人漫画家に向けてメッセージをお願いします。

 

流石:いかにもデジタルな画面は読者に違和感を与えてしまうので、気をつたほうがいいですね。デジタルは使いこなすまで時間がかかりますが、覚 えてしまえば非常に楽ですよ!

 

流石先生の仕事机がこちら

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Mac①と液晶タブレット②で作業を行っている。アシスタントも完全デジタルだ。

 

 

 

デジタル投稿の疑問を

徹底解消!

 

両先生の話を聞いてデジタルでの漫画作りに興味が出てきた人のために、必要な道具から投稿方法までを完全紹介!これさえ読めばキミもデジタル作家だ!

 

 

◉デジタルは何が便利?

・何度でも修正が可能!

・作業が1クリックで一瞬!

・トーン代がかからない!

 

注意!

便利な面もあるデジタル機材だが、データの取り扱いには要注意!バグやフリーズの 危険があるため、常にバックアップは作成しておこう!

 

 

◉どこからデジタルを使えばいいの?

 

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どの段階からデジタルを使うかは、作家さんによっても様々。両先生のように、最初からか仕上げから使う人が多い印象だ。キミも自分に合った使い方を探してみよう!

 

 

◉これだけあれば漫画が描ける!デジタル漫画の3大道具

 

パソコン

デジタル作業の必需品。画面の大きさは作業効率に直結!

 

ペンタブレット

大きさや性能は様々。自分のPCに対応しているかも注意!

 

漫画制作ソフト

渡辺先生・流石先生が使っているのは「COMIC STUDIO」だ。

 

★渡辺先生愛用のペンタブは

ワコムのIntuosだ!

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◉さらに進んだ作業をしたいならこちら!

 

液晶タブレット(液タブ)

普通のペンタブレットと違い、液晶が付いているので直接画面を見ながら作業ができる。より紙に近い感覚で描ける優れもの!

 

スキャナ

線画や資料を取り込んで加工する際に必要。アナログとデジタルを併用して作業したい人は必携だ!

 

★流石先生は液タブを使用。

タブレット上での作業がメインだ!

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デジタル原稿を新人漫画賞に投稿するには?

 

◉郵送で投稿する場合

基本は紙の原稿と同じ!

詳細は応募要項をチェック!

 

★デジタルで注意するのは以下の2点!

①使用アプリケーション、保存形式を明記する

 例:Comic Studio使用、tif形式で保存

②プリントアウトしたものを同封する。ディスクだけ送らないように注意!

 B4で印刷した原稿とディスクを併せて応募しよう!

 

 

◉Webから投稿する場合

印刷の手間なく、家から手軽に投稿!

しかも締め切りギリギリまで応募できる!

 

まずはマガメガのホームページへアクセス!

http://www.shonenmagazine.com/newcomer/awards/

 

または、「マガジン 新人賞」で検索!!

※必ずzip形式に圧縮しよう

※原稿サイズはB4、解像度は600dpi以上

※200MB以上の作品は郵送で!容量はこまめに確認しよう!

 

(※この記事は、週刊少年マガジン2016年42号に掲載されたものを再録したものです)

 

 

 

▼デジタル原稿についてもっと知りたい方は、コチラの記事もおすすめ!! 


マガポケベース連載企画

【デジタル作画は漫画の世界をどう変えている?】全8回

▼第1回 <基礎編・前編>

▼第2回 <基礎編・後編>

▼第3回 <初心者〜初級編・前編>

▼第4回 <初心者〜初級編・後編>

▼第5回 <上級編・前編>

▼第6回 <上級編・後編>

▼第7回 <番外編・前編>吉河美希先生インタビュー

▼第8回 <番外編・後編>吉河美希先生インタビュー


   

▼渡辺静先生の作品がWEBでも読める!

・『リアルアカウント』第1話

 

 

▼流石景先生の作品がWEBでも読める!

・『ドメスティックな彼女』第1話

・『GE〜グッドエンディング〜』第1話

 

 

 

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(終わり)