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『Fate/Grand Order –turas realta』作者カワグチタケシ×『FGO』シナリオライター東出祐一郎豪華対談!前編

「別冊少年マガジン」で連載中、カワグチタケシ先生の『Fate/Grand Order –turas realta』第五巻発売記念!

『Fate/Grand Order』シナリオライターの東出祐一郎先生とカワグチ先生に対談してもらいました。

前編では『Fate/Grand Order-turas realta-』の第一特異点「オルレアン」の魅力や『FGO』アプリのシナリオ執筆など、お互いの作品の印象についてたっぷり語ってもらいました!

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 互いの魅力について語る!

 ーーカワグチ先生が描くコミカライズ、いかがでしょう。

 

東出先生
最初の印象は「原作に忠実で、おっかなびっくり」。けど、第一特異点・オルレアンの中盤あたりからは、見違えるように大胆になりましたよね。独自のアレンジが随所に効いていて、それが素晴らしく面白い。監修でネームを拝見するのが毎月楽しみです。

 

カワグチ先生
連載前、コミカライズの仕事をするに当たってどう描くべきかを悩んでいたんですが、担当さんから「とにかく面白い漫画を描いてくれればそれでいいんだ」と言われたんです。それが出発でした。何よりもまず面白い漫画を読者に届けたいという思いがあって、それから物語が進むに連れて次第に『FGO』として描くべきことが摑めてきたような感覚です。まだまだ模索中ですが。

 

東出先生
今後も面白さ優先で全力疾走してもらいたいっていうのが、ライターとしての本音です! それにしても、オルレアンのクライマックスは本当に素晴らしかった。藤丸がジャンヌに無言で往くべき方向を指で指し示すところは特に印象的で、藤丸のキャラクターを象徴するシーンになっていると感動しました。あと、やっぱりジャンヌは力強いんだな……と(笑)。

 

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↑藤丸がジャンヌに往くべき先を示すカット

カワグチ先生
ジャンヌがファヴニールを無理やりかちあげたシーンですよね(笑)。ネーム監修でOKが出るか心配だったんですが、快く受け入れていただいて嬉しかったです。

 

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↑ジャンヌの力強さが出たカット


東出先生

さすが聖女様……竜も殴り飛ばす……(笑)。そして何より、ジャンヌの覚悟とジルの最期を、目いっぱい面白く表現してくれたと思ってます。

 

カワグチ先生
ありがとうございます! 僕の解釈でジルの最期はアレンジしてしまったので、不安でしたが……。

 

東出先生
大きな声では言えませんが、当時の制作状況も相まって、オルレアンはちょっと隙のあるシナリオなんです。

 

カワグチ先生
めちゃめちゃ面白いですけど……。

 

東出先生
当時はシナリオに許容される容量も今とは桁違いに少なかったんです。それに僕たちシナリオライターも「アプリゲームで求められるシナリオ」を把握しきれていなかった。だから、今から改めてオルレアンを作るとしたら、きっとコミカライズの流れのようになるんじゃないかと思いますよ。

 

 ――物語は第三特異点、嵐のオケアノスへと舞台を移しました。

 

カワグチ先生
『FGO』第一部のシナリオで一番ドキドキ、ワクワクがあって、少年漫画らしい物語ですよね。本編では「黒髭」との戦闘が本格化していくところですが、描いていて本当に楽しいです。

 

東出先生
黒髭との決戦や〇〇〇〇〇(ネタバレのため伏字)とのスピード勝負は見どころですよね。オルレアンのラストが素晴らしいものになった分、カワグチ先生にはそれを超えていくものにしてほしいと願ってます。腕の見せ所ですね!

 

カワグチ先生
プレッシャーですけど、頑張ります!

 

――ちなみに、オケアノス編でのお二人の推しサーヴァントは?

 

東出先生
アステリオスですね。エウリュアレとの関係性が、大変心温まります。

 

カワグチ先生
僕もアステリオスなんですよね。彼が迎える結末を考えると今から涙が出そうなんですけど、どう表現すれば読者の皆さんにも彼の良さが伝わるか全力で悩み抜いています。必ずいいものにするので、楽しみにしていてください!

 

――そんな『FGO』は、アプリのリリースからもうすぐ4年です。

 

東出先生
カワグチさんはどの時期から『FGO』を?

 

カワグチ先生
僕はバッチリ事前登録していたので、「セイバー・リリィ」もはじめから持ってました。

 

東出先生
それはありがたいですね。はじめてプレイしたとき、どう思われましたか?

 

カワグチ先生
『Fate』の世界観が表現されていて、とにかくそこに驚きましたね。さすがにアプリゲームだとこれまでと手触りが変わってくるんじゃないかなと漠然と思っていたんですが、やってみれば『Fate』以外の何物でもなかったので、いい意味で裏切られました。それまでソーシャルゲームはほとんどプレイしたことがなかったんですけど、『FGO』はシナリオが非常に面白いので、すぐにハマって現在に至ります。東出さんは、当然リリース前から関わってらっしゃるんですよね?

 

東出先生
自分はかれこれ5年以上『FGO』に関わっていることになりますね。この前、PC内から2014年の日付のドキュメントが出てきて懐かしい気持ちになりました。サービス開始前に執筆したサーヴァントの設定などは、今見るとちょっと古くなってしまったものもあるので、実装時にもう一度ちゃんと書き直したりしていますね。

 

カワグチ先生
え、サービス開始前に設定を作ったサーヴァントがまだ実装されてない、なんてことがあるんですか……?

 

東出先生
少し前まではまだ残っていましたね……。

 

カワグチ先生
すっげえ。なんていうか、気の長い話ですね。

 

東出先生
カワグチ先生はリリース当初からプレイされてますけど、AP※1が今より貯まりにくい仕様だったのは、やはり大変でしたか?(笑)

※1 APとは:行動力を表す数値。APを消費することで、クエストに挑戦することができる。

 

カワグチ先生
とにかくサーヴァントのレベルアップが大変で、心が折れかけましたね……。担当のHさんは聖晶石を使ってAP回復していたらしいですけど、僕は聖晶石をとっておくタイプなので(笑)。

 

――アプリ開始当初は第二特異点・セプテムまでプレイできました。

 

東出先生
先ほども少し触れましたが、冬木(特異点F)からセプテムまでは、シナリオに許される容量が現在でいうとイベント1回分くらいしかなくて。各エピソードでバトルが必須でしたし、節が変わるまで場所移動もできなかったんです。たとえば、情報収集のためにスタート地点に戻る必要があった場合とかは、必ずそこで一回はバトルを入れないといけないんです。「いざ決戦の地へ!」と言った直後に「ところで雑魚戦です」となっちゃう(笑)。アプリゲームのシナリオ執筆は初めての経験だったので、当時はとにかく手探りでシナリオを執筆していましたね。今思えばそれはそれで楽しさもあったんでしょうけど、当時に比べると今はシナリオで再現できることが多くて、さらに楽しいです。

 

カワグチ先生
いつ頃からシステムを気にせず、自由に目いっぱいシナリオを書けるようになったんでしょう?

 

東出先生
徐々に、というのが真実ですけど、個人的な体感で言えば1.5部に入ってからでしょうか。バトルや場所移動のシステムも大幅に自由度が上がりましたしね。

 

後編では、メディアミックスについてなど!

 

東出祐一郎先生

シナリオライター。
株式会社ウィル(現ウィルプラス)に所属後、独立してフリーランスに。
代表作品に『あやかしびと』『ケモノガリ』『Fate/Apocrypha』など。

 

カワグチタケシ先生

漫画家。
代表作品は『女王陛下の補給線』など。

 

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