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【漫画家になる!】デビューへのアイディア /新人賞特選『紙飛行機と電波塔のお話』川崎朝木インタビュー

第101回新人漫画賞特選受賞作

『紙飛行機とデンパ塔のお話』

川崎朝木先生特別インタビュー‼

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第101回新人漫画賞にて、まだ史上5人目の「特選」を受賞した川崎朝木先生。

今回はそんな「週マガ」超期待の新鋭に、お話を伺いました!

 

プロフィール

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川崎朝木(かわさき あさぎ)
1997年生まれ。名古屋出身。
 
好きな漫画:
『進撃の巨人』『おやすみプンプン』
 
好きな映画:
『戦場のピアニスト』『ファイトクラブ』

 

 

 

プロを目指して

 

――今回は特選受賞、誠におめでとうございます! まずはご自身の漫画歴について、伺えますでしょうか?

 

川崎:絵の練習やお話づくりは、趣味として中学生の時から取り組んでいました。

 

もちろんその頃から漫画家になりたいとは思っていたのですが、当時は仲の良い友達に見せて感想を貰う程度でした。

 

でもそれを続けている内に、少しずつ上手い絵が描ける様になり、面白いと思える物語も作れるようになって来て、そして何より、漫画を描くこと自体が心から面白いと思う様になっていたので、本気でプロを目指す決意が固まりました。

 

ですので、投稿用に本格的な漫画を描き始めたのは大学に入ってからになります。

 

 

挫折の末に辿り着いた「週刊少年マガジン」

 

――それでは、「週刊少年マガジン」や担当編集と出会いについて、伺えますでしょうか?

 

川崎:実はその当時、自分の作風にかなり自信を持てなくなっていました。というのも、他誌に投稿や持ち込みをした1・2作目であまり良い結果を出せなかったためです。

 

自分では面白いと思うけれど、それが全然受け入れてもらえない。本当に苦しかったです。無理をして自分が面白いと思えないものを作っていくのなら、何もそういう仕事に就かなくても良いんじゃないかとさえ、思っていました。

 

でもやっぱり諦め切れなくて、自分なりの漫画を、意地を張って描き続けていました。

 

そんな時、「『進撃の巨人』の諫山先生が他誌では受け入れられなかったが、マガジンでは評価された」というエピソードを思い出し、3作目を月例賞に出しました。

 

すると何の因果か『進撃の巨人』と同じ賞(佳作)をいただくことが出来ました。

 

しかもそれを読んだ現担当編集が、賞の結果が出てすぐに電話をくれて「俺はお前の漫画が好きだ!」みたいなことを言ってくれて、なんかもう、ただただ率直に嬉しかったです。神から手を差し伸べられたみたいな心境でした。

 

 

「少年漫画らしさ」という壁

 

――それでは月例賞で佳作を受賞した3作目のあと、4作目となる本受賞作は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

 

川崎:日頃からつけていたアイデア帳の短編用のアイデアの中から面白くなりそうだと思ったものを選びました。メモの内容は、

 

・巨大な鉄塔の上で遭難している人の日常

・手紙

・記憶喪失

・自分がここにいる理由を調べていく…

 

といった箇条書き程度だったので、それらを整理・肉付けして、一つの物語を作っていきました。

 

おそらくモを取ったのはテレビ塔に登った時のことで、「ここから降りられなくなったらどうすんだ?」みたいな妄想をしていたのだと思います。

 

 

――たしかに箇条書きの段階で既に面白そうですね…! やはり最初から手ごたえを感じていたのでしょうか?

 

川崎:いえ、初稿のネームが出来た時点で、相当悩みました。

 

「全然少年漫画らしくない…自分では面白いと思うけれど、これは受け入れてもらえるのだろうか…」そんな葛藤があったんです。

 

だから「特選」なんてもちろんのこと、賞に届くのかどうかも全くわからなかったので、受賞の知らせを受けた時はただびっくりしました。出来すぎだな、と(笑)。

 

 

――「少年漫画らしさ」という点で葛藤があったということですが、それを乗り越え「この作品で勝負しよう」と決めたのはなぜでしょうか?

 

川崎:真正面から王道の話を作っても、新人賞で僕は勝てないと思っていたからです。

 

今までそういう話を全く作ってこなかったので、そこに自信がなかったんですね。

 

だから悩んだ末、自分が漫画で大切にしている「空気感・世界観」の面で面白いと思えるものができたのなら、その面白さで勝負しよう、と覚悟を決めました。

 

そしてその分、評価されなくても文句は言えない、とも思っていました。

 

 

誰もが楽しめるエンターテインメントを

 

――では最後に、次回作はどんな作品を描きたいと考えていますか?

 

川崎:「自分の漫画らしさ」と同時に、「エンターテインメント性」を追求したいと思っています。

 

というのも今作を読み返すと、自分のやりたいことが前面に出過ぎていて、「読む人を楽しませる」という意識が少し欠けている気がするんです。

 

だから次回作は、自分の面白いと思うものは残した上で、老若男女、世代も階層も越えて楽しめる「エンタメ」を目指したい。

 

もちろん僕みたいな新人には途方もない目標ですが、もし「マガジン」という大きな場所で作品を発表させてもらえるのなら、僕はそういう思いを抱えながら漫画を描きたいと思います。

 

 

――次回作、楽しみにしております! ありがとうございました!

 

川崎:ありがとうございました!

 

 

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(おわり)