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Twitterで「いいね!」10万超! マガポケの話題作 『メイドの岸さん』柏木香乃先生インタビュー

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ポンコツ主人の貴一朗と、クールなメイドの岸さんが織りなすラブコメ漫画『メイドの岸さん』。

 

本作のもとになったのは、柏木香乃先生が2019年夏にTwitterに投稿した作品『ツレないメイドがポンコツ主人の世話をする話』。じわじわ拡散されて合計で10万以上の「いいね!」を集めた話題作は、いまや第1巻が発売直後に重版がかかるほどの「マガポケ」人気連載作品になりました!

 

今回は、そんな『メイドの岸さん』を生み出した柏木先生に、岸さんのモデルや漫画家になろうとしたきっかけ、今後の見どころなどをうかがいました!

 

逆転の発想で描いた漫画が鬼バズり!

──『メイドの岸さん』は柏木先生がTwitterに投稿した作品だったんですよね。すごくバズっててたのが印象に残ってます!

 

柏木先生:

びっくりしました!
2019年夏にTwitterに『ツレないメイドがポンコツ主人の世話をする話』を投稿しました。この作品を、とある漫画家の方にリツイートしていただいて。投稿当初はそこそこの反響だったんですが、おそらくそのリツイートをきっかけにいっきに広まった感じだと思います。

 

 

担当編集T:
僕はその漫画家先生のリツイートで柏木先生の存在を知りました。それで「すごい人がいるぞ! 各社からから声がかる! 急がなきゃ!」と即連絡したんです。

 

──実際にいろんな出版社から連絡があったと思うんですが、講談社、週刊少年マガジン編集部を選んでもらった理由は?

 

柏木先生:
いち早くご連絡をくれたのが「週マガ」のTさん(担当編集)だったのもあるんですが、Tさんの押しが結構強かったんです。
他の出版社さんは「ご検討ください」くらいだったんですが、Tさんは最初から「1週間後にネームを送ってください」みたいな感じでした(笑)。

 

──ちなみに、漫画をアップする前から手応えみたいなのは感じていましたか? これはバズるぞ!みたいな。

 

柏木先生:
手応えというわけではないんですが、自分なりにTwitterに投稿される漫画作品を研究していたんです。
当時、Twitterに投稿されていた漫画は、女の子が赤面して終わることで「かわいさ」を描く作品が多かったので、私は逆に赤面させないでいかにかわいく描けるかを意識して描きました。

 

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──それでクールビューティの岸さんが生まれたんですね! 作品の雰囲気は、少女漫画とかに載っていても遜色がないと思うのですが、なぜ少女漫画ではなく少年漫画の世界で描こうと思われたのでしょうか?

 

柏木先生:
実は女性向け雑誌の編集部さんからもお声がけいただいたんです。ただ、女性向けだとどうしても男の子のカッコ良さが武器になる作品が多く、そこで勝負すると埋もれてしまうな、と思ったんです。

 

それに私は、どちらかというと岸さんみたいなかわいい女の子を描きたかった。少年誌の読者は可愛い女の子が好きですよね。そんな読者に向けて、私が可愛いと思う女の子をぶつけてみたいと思ったんです。

 

「主人とメイドという設定は必然的でした」

──貴一朗と岸さんってモデルはいらっしゃるんですか?

 

柏木先生:
ほぼほぼ原型はないんですが、元々好きだった2人組のYouTuberをモデルにしています。その2人がとても仲良しで、見てて微笑ましいんです。なので、これを漫画にできないかなって考えました。

 

2人の関係性だけを引っ張ってきて、好きな部分だけを誇張していったら「塩対応の女の子」と「その女の子に尽くす男の子」が生まれてきました。

 

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──関係性ありきのキャラだったんですね。でも、どうしてメイドという題材を選ばれたんですしょうか?

 

柏木先生:
「警察とヤンキー」や「先生と生徒」など、いろいろな設定を考えました。
でも、さまざまな案が挙がるなかで、塩対応の女の子と尽くす男の子という関係性と一番かけ離れた設定が面白いだろうなと。それで「メイドと主人」という設定に決まっていったんです。

 

普通はメイドが主人に尽くすけど、「塩のメイドに尽くす主人」は面白い。それが塩対応の岸さんに尽くしていく御曹司の貴一朗に繫がりました。

 

──なるほど。そうやってキャラ作りがされていったんですね!  メイド服も「可愛い!」と読者から評判なんですが、描く時に何かを参考にされたんですか?

 

柏木先生:
漫画やドラマを参考にはしたんですが、時代設定が古いものばかりなんですよね。現代だと、メイドさんはメイドカフェぐらいしか見つからなくて……
だから、古い時代のメイド服を現代風にアレンジしました。昔ながらのクラシカルなロングのメイド服もかわいいんですが、いまっぽさを出すならミニスカートのほうがいい。だから岸さんのメイド服はミニスカートなんです。

 

──メイドの仕事内容などはどうやってネタを仕入れてるんですか?

 

柏木先生:
基本的には家事代行サービスのイメージです。
ネタを仕入れるというよりは、よくある家事や貴一朗の身の回りのお世話を岸さんたちにやってもらっている感じですね。
最近だと、岸さんが夏休みを取るなど、メイドさんとはあまり関係ない話も描いてますけどね(笑)。ちなみに夏休みを取る回は、読者さんからの反響も良くて私自身もお気に入りです。

 

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漫画家になろうと思ったことは一度もなかった

──柏木先生は何をきっかけに漫画家を目指そうと思ったんですか?

 

柏木先生:
絵を描くことは小さい頃からずっと好きで、小学生の時もセーラームーンやポケモンをノートに描いたりしてました。でも、「漫画家になろう」みたいなことを思ったことは一度もなかったんです。

 

──漫画を読むこともなかったんですか?

 

柏木先生:
そうですね。
両親もあまり漫画を読むタイプじゃなかったので、漫画に触れ合える環境じゃなかったというか。でも、小学2年生くらいの時に友達にすすめられて『らんま1/2』を読んだら、「こんなにおもしろい漫画があるなんて!」と衝撃を受けたんです。それをきっかけに漫画を読みまくるようになりました。

 

──それが漫画家を目指すきっかけになったんですかね。

 

柏木先生:
もちろん憧れはあったんですが、あまり現実的ではないなという感覚もありました。「頑張ってもなれるものじゃない」と思っていたんです。美大に進学して版画を専攻していたので、なんとなく「デザイン系の仕事をする」とは思っていました。

 

大学4年生になって、「いよいよ就活するぞ」と就活イベントに行ったら、周りの人がみんなすごそうな人たちばかりで……「この人たちと競っていい企業に就職するなんて無理だな」と思ったんです。そこで「漫画家になろう」と決意して、漫画を描くようになりました。

 

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──その後はどういう動きをされたんですか?

 

柏木先生:
漫画の描き方を身に付けないといけないと思って、まずは同人活動をスタートさせました。
ただ、漫画の技術は着実に向上していったとは思うのですが、同人イベントの出張編集部などで作品を見ていただく機会があっても箸にも棒にもかからなくて……。

 

そこで、自分なりに分析して狙いを持って作り出したのが『ツレないメイドがポンコツ主人の世話をする話』なんです。Twitterに投稿できて、なおかつ同人誌にもできる12ページくらいの漫画を描こうと思ったら、まさか週刊連載が持てるなんて思ってもみませんでした(笑)。

 

──週刊連載をやってみてしばらく経ったと思いますが、いまはどんな気持ちですか?

 

柏木先生:
正直、週刊は大変です。もともと週刊で連載するつもりはなかったので、担当編集のTさんにも「隔週でお願いします」と相談したんですが、やっぱりそこも押しが強くて(笑)。

 

 でも、やることはシンプルなのでペースさえつかんでしまえば週刊の連載でも慣れてくるんだろうなと思っています。

 

──いまは週刊でかなりお忙しい日々を過ごされていると思いますが、漫画家として実感が湧いたのってどんな時でしたか?

 

柏木先生:
じつはいまもそこまで実感してないんですが、読者さんから「買いました!」って写真やファンレターをいただいたときに「漫画家になったな」と思います。「本当に読んでくれてる人がいるんだ」って気持ちになります。

 

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──漫画家を目指しているかたにメッセージをいただけませんか?

 

柏木先生:
とりあえず、「やりきること」です。
作品を完成させ、編集さん・読者のみなさんに読んでもらうのが大事だと思います。「漫画家になりたい」と言いながらも書かない、動かない人が多い印象があるので、とにかく描いて描いて描いて編集さんに読んでもらうことを意識して描き続けることをおすすめします。

 

──「週刊少年マガジン」の特別出張連載も大好評ですが、『メイドの岸さん』の今後の見どころを教えてください!

 

柏木先生:
貴一朗と岸さんの不穏な感じは読者のみなさんも薄々感づいているとは思いますが、2人がどう乗り越えていくのかーーに注目しながら読んでもらえるととうれしいです。

 

──ありがとうございます!  ちなみに、柏木先生は「マガポケ」オリジナル作品のなかで、よく読む作品はありますか?

 

柏木先生:
『復讐の教科書』と『ときめきのいけにえ』が好きです。

 

──どちらも『メイドの岸さん』とのギャップがすごいですね(笑)!

 

柏木先生:
そうかもしれないですね(笑)。
復讐の教科書』はいつもハラハラする展開で、ぐいぐい引き込まれてます。こんな漫画が描けるなんてすごいなって思いながら読んでます。

 

ときめきのいけにえ』は男の子がとっても格好良くて2人の恋愛模様もとってもかわいいのに、起こっていることが衝撃的! 甘いものとしょっぱいものを交互に食べている感じがたまらないんですよね。

 

──漫画以外の創作物もそういう刺激的なものが好きだったりするんですか?

 

柏木先生:
そうですね。『スパイダーマン』を筆頭に『ザ・ボーイズ』や『アンブレラ・アカデミー』も好きですし。意外とアメコミ系が好きだったりします。

 

──柏木先生の意外な一面を知れました。今日はありがとうございました!

 

ぜひ周りの人にも教えてあげてください!

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