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『暴虐のコケッコー』でトリになるから脳みそをほじくらせてくれないか?

こんにちコケッコー(朝の挨拶)、ライターの間野(まの)です。

 

ある朝起きたらマガポケのアイコンがからに変わって総選挙の代わりに尻選挙が開かれていて、グレゴール・ザムザもビックリの今日この頃です。

 

ところで賢明なるマガポケ読者諸君は、現在マガポケで話題沸騰中のオリジナル残虐トリマンガ『暴虐のコケッコー』をごぞんじでしょうか。

 

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ものの本によれば日本で飼われているニワトリの数はおよそ3億羽。

人口の約2・5倍から3倍にあたるそうです。

 

仮に、ですよ。

 

ニワトリに選挙権が与えられたとしたら、ヤバくないですか。

 

全国の鶏小屋からニワトリたちがこぞって小学校や区役所などに設置された最寄りの投票所に押し寄せ、出口調査でコケッコーと鳴きまくる。

 

ニワトリファーストをかかげる立候補者が圧倒的な得票率でもってつぎつぎと勝ち上がり、ついにはニワトリ新党が誕生。

 

第一党となったニワトリ新党がニワトリ至上主義的独裁を開始すると、上流層のトリたちは貴族化し、人間はトリ貴族たちの奴隷に零落します。

かくして日本は世界初のニワトリの持ちたる国家となるのです。

 

ちなみに国歌は「恋するニワトリ」(やくしまるえつこのカバーしたバーション)です。

 

recochoku.jp

 

もう少し現実的な妄想に浸りましょう。こちらにも譲る歩くらいはあります。

 

そうですね、ニワトリに参政権を与えるのはあんまりにあんまりでしょうし、百歩ゆずって、ニワトリが人間になったとしたらどうでしょう?

 

人間サイズになってもニワトリの思考や行動は鳥類のままです。

コミュニケーションなどとれません。

 

その上なぜか人間の脳みその味をおぼえ、そこらへんのこどもたちを襲いだします。

無力なこどもたちはおとなに助けを求めます。

が、そのおとながどこにもいない。

 

そう、子どもたちのハラワタをひきずりだしている巨大殺人ニワトリの正体こそ以前のおとなたち――みんな巨大殺人ニワトリになってしまったのです!!!!!

 

 

そんな明日起こるかもしれないリアルな悪夢を描いたスプラッタホラーのスーパーノヴァ、それが『暴虐のコケッコー』です。

 

ところで残虐描写をおおいに含む『コケッコー』は賛否両論のわかれる作品です。

 

本来なら宣伝ブログとして作品の良いところのみをピックアップするべきでしょう。

 

本ブログ全権である管理人ニシジマさんからも「すこしでもウチの悪口書いたら『アウトレイジ』みたいな目に合わせてやるからなコノヤロウバカヤロウ」と申しつけられており、うかつに埠頭や歯医者にも近付けないありさまです。

 

しかし本ブログの使命とはなんでしょう?

比内鶏のようにフレッシュなマンガ名古屋コーチンのようにソリッドな真実を読者のみなさんへお届けすることではないでは?

 

というわけで、公平を期する意味も込めて、誰もが納得できる「『コケッコー』のいいところとわるいところ」を三つずつ挙げていきたいと思います。

 

 

*いいところその1

ニワトリがでかい。

 

鶏肉で一番おいしいのは「ドラム」と呼ばれる脚部パーツ。持ちやすい形状とほどよい脂身加減が老若男女問わず大人気ですが、他の部位に比べて量的に物足りない(気がする)のが玉にキズ。

 

もっとニワトリが大きければ、ドラムを腹いっぱい堪能できるのに……たとえば人間サイズのニワトリが……

 

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やった!!!!

 

いた!!!!!!!!!!!! 

 

これで食べ放題いらずや!!!!!!

 

食べ放題になってるの、人間のほうっぽいけれども!!!

 

 

*ダメなところその1

主人公が魅力的

 

タイトルを見てもわかるとおり、本作の主役はニワトリです。なのに、主人公の人間「悠」が主役の座をおびやかすほどかっこいい

 

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一見不良風ですが、身寄りのないこどもたちが暮らす児童養護施設の頼れるリーダー的存在で、筋の通った漢です。

 

施設のこどもたちを守るためなら素っ裸でニワトリと戦うことも厭いません。

 

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つよそう。

  

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あっ。

 

 

*いいところその2

ニワトリが強い!!!

 

今講談社の漫画で一番強い生きものは巨人でもなければ、アサルトモードのメリオダスでも、田島彬でもない。

 

ニワトリです。

 

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そのへんのガキとかツッツキひとつでイチコロです。

顎の力がめっちゃつよいので臓物もたやすくひきずりだせますが、基本グロ画像なのでここでは控えます。

 

 

*ダメなところその2

男同士の友情が描かれている

 

しょせん鳥ッ! ニワトリには人間に対する情などないッッ! 

にもかかわらず、人間どもは友情をむすびやがります。

特に児童養護施設での悠の親友である寅くんはなんですか。

 

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神経質で蔭のある美少年キャラのくせして、

 

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主人公とさわやか青春おともだちライフを送りやがって……度し難い……

よくないです!

あー、いけません、包丁なんか握らせたら彼の妖しい魅力と主人公との危うい関係性が浮き彫りに……

 

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よくないですよ!!!

 

 

*いいところその3

ニワトリがリアル!

 

かなしいことに、マンガにおけるニワトリの扱いはあまりよいとはいえません。

なんかトサカとかつけとけばいいんだろ程度に思われがちです。

 

しかし、『コケッコー』のニワトリはモノが違います。

どうです、このリアルさ。

 

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一般にはあまり馴染みのないくちばしの内部構造までばっちり。

 

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ニワトリファンにも納得いただけるクオリティですね。ブツブツとか……。

 

 

*ダメなところその3

深まる謎とテーマ

 

おとなたちが突然ニワトリへ変わってしまった世界を描く『コケッコー』。

なぜおとなたちがニワトリになってしまったのか? 

なぜこどもたちを襲うのか?

日本は、世界は、どうなってしまったのか?

 

現時点(第6話)で主人公たちは目の前の窮地を脱するのに忙しく、謎の数々はとりあえず脇におかれています。

読者としては気になって夜も眠れません。ひどいマンガですね。

 

ところでこうしたクレイジーな状況と、主人公自身が置かれていた崩壊以前の日常が微妙に重なっている、というのは興味深いです。

 

主人公の悠を取り巻くおとなたち、たとえば養護施設の園長や学校の教師たちといった人々は、いずれも悠やこどもを圧迫するイヤな存在として描写されています。施設のこどもたちが純真そのものなのとは対照的です。

 

悠は強権的なおとなの支配する「学校」や「施設」といった「鳥かご」を卒業して自由に羽ばたくはずでした。

そこへ折悪しく出来したのがニワトリ騒動だったのです。

 

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良質なホラーは一見不条理な状況を設定しているように見えて、実は人の心の奥深くにひそむ現実的な恐怖をえぐり出すものです。

『コケッコー』もその例に漏れません。

 

「鳥かご」だと思っていた場所からようやく脱出できた、と思っていたら、そこは以前の「鳥かご」よりもっと理不尽で残酷な「鳥かご」だった。

そうです、あなたの立っているここはすでにニワトリの惑星なのです。

『コケッコー』を読み終わっても、あなたはまだ『コケッコー』にいるのです。

 

それは毎月28日にトリの日パックが売り出されるよりも確実な真実なのです。

 

そんな残酷な世界でのチキンレースをいきのびるヒントが本作には隠されているかもいれません……。

 

選挙権というおとなへのチケットをゲットするお年頃の不安な気持ちを的確につ(っつ)いてくる『暴虐のコケッコー』は、マガポケオリジナル連載です。

 

トリのがしのないようにしたいですね。

 

 

▼第1話はWEBからも読めます。

pocket.shonenmagazine.com

 

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(ライター:間野久)