決闘裁判

宮下裕樹 企画協力/後藤一信

17世紀初頭、神聖ローマ帝国。この地において、裁判とは暴力であった――。原告と被告の決闘で有罪無罪が決まる「決闘裁判」が広く行われていた。〝神は正しい方の人間を勝利に導く″という教えのもとに‥‥。ライン川流域の町・ブライザッハを訪れた少女アリアと狼のヴォルフは、鬼気迫る表情で教会へと向かう少年ニコ・マイルズと出会う。それは、後に帝国とその中枢を牛耳るハプスブルク家を揺るがす物語の始まりだった――。