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“かっこよさは、武器だ。”『K-9〜警視庁公安部公安第9課異能対策係〜』奧山哲矢先生インタビュー

 

マガポケで連載中の『K-9〜警視庁公安部公安第9課異能対策係〜』。

刑事×異能という組み合わせで描かれる、スタイリッシュなキャラクターとアクションが読者を魅了し続けています!

 

前作ではスポーツ漫画を描き、今作ではクライムバトルアクションへと挑んだ奧山哲矢先生に、作品誕生の経緯やキャラクターへの思い入れ、連載を通じた変化をたっぷりと伺いました!

 

●青春を捧げた野球が終わり――「漫画」という新しい熱と出会う

――奧山先生が漫画家を目指したきっかけを教えてください。

 

奧山先生:
高校時代はスパルタな野球部に所属していて、寮生活をしながら甲子園を目指す日々を送っていました。その後、大学に入ってしばらくしてから熱中するものがなくなった喪失感に襲われて…そんなぽっかり空いた穴を埋めるように、ふとスポーツ漫画に手を伸ばしてみたのが始まりですね。読み進めるたびに胸が熱くなって、自然と自分も漫画を描いてみたいと思うようになりました。

 

――漫画の勉強はどのようにされていたのでしょうか?

 

奧山先生:
描き始めた頃は、インターネットにある情報をかき集めたり、本を読んだりする程度でした。作画のサイズ感すらわからない状態で、まさに手探りでやっていたのをよく覚えています。

 

――もともと、絵を描くのが好きだったのでしょうか?

 

奧山先生:
美術の授業は好きだったのですが、絵が一番好きといえるほどではありませんでした。でも実際に漫画を描いてみたら、めちゃくちゃのめり込んでしまって……そのまま今に至ります。

 

――先生の好きな漫画作品を教えてください。

 

奧山先生:
小学生から中学生のあいだにハマり、いまでも心に残っている作品は『BLEACH』です。巻頭の痺れるポエム、扉をめくったときの衝撃、そして「卍解」。あのかっこよさを自分でも描きたいという気持ちは、根底に流れています。

 

●前作で掴んだ手応えが、「刑事×異能」という世界を呼んだ

――『K-9警視庁公安部公安第9課異能対策係はどのような経緯で連載に?

 

奧山先生:
前作『BADDIES!』でキャラクター作りを突き詰めていくなかで、「スタイリッシュな絵を自分の武器として定める」という方向性が見えていました。その軸をもとに、担当編集さんとファンタジーをはじめさまざまなプロットを出していった結果、最もしっくりきたのが「刑事もの」だったんです。さらに、バディの設定にすれば現代にも馴染みやすいという感覚もあり、現在の形に落ち着いていきました。

 

――当初は、異能ありきで作ったわけではなかったのでしょうか?

 

奧山先生:
はい。もともとは、ファンタジー要素のない刑事ものにする予定だったんです。でも、やはり『BLEACH』をはじめとして、今まで読んできた様々な作品の影響もあってか、少年漫画らしく異能を取り入れることに決めました。加えて、作品ならではの要素を盛り込もうとした結果生まれたのが「罪(シン)」という設定です。

 

●「キャラが弱い!」の一言から生まれた、恋という“かっこいい”存在

――恋と朧、人のキャラクターが誕生した経緯を教えてください。

 

奧山先生:
もともと恋という存在はおらず、もっと小さくて可愛らしい男の子を主人公に据えていました。でも編集長から「キャラクターが弱い!」と指摘が入りまして。そのときに、自分のやりたいことである「かっこいいものを描きたい」という気持ちが抜けていたことを思い出しました。試行錯誤の結果、能力もない女の子が、異能を駆使する犯罪者にも負けず凛々しくある姿――これってめちゃくちゃかっこいいのでは?という発想で生まれたのが恋です。

 

――朧の誕生エピソードも気になります。

 

奧山先生:
朧のキャラデザインは当初からあったものの、中身はもっと大人っぽくてクールだったんですよね。あとから出来上がった恋のキャラクター像にフィットする形で、いまの朧の性格が生まれました。

 

――課のもう一組のバディ、篝と仁のふたりは、恋と朧との対比のような関係のように思います。何か意識されたことはありますか?

 

奧山先生:
やはり、恋と朧とは違った良さを出したいなと思っていて。ふわふわしている篝と、犯罪者なのにしっかりとしている仁。立場の違いや抱えてきたものの違いが、恋と朧とはまた別の角度を見せてくれると思っています。我ながら、良いバディを生み出せた感覚はありますね。

 

●戦いのなかで向上する画力――最新の回がいつも一番楽しい!

――描いていて楽しかった回はありますか?

 

奧山先生:
描くたびに画力がどんどん上がっていくので、最新の回が一番楽しいんです(笑)。

ひとつ挙げるとすれば、秋葉原で展開する仁の戦いですね。個人的にも満足のいく終わり方ができたし、キャラクターの良さも存分に出せたので、ぜひ注目してほしいです。

 

――逆に、大変だった回や難しかった回はありますか?

 

奧山先生:
「楽園」という組織のボス・茉莉花イブの過去編です。イブの親友が同級生の頭をギターで殴るシーンを、全編サイレント(セリフ&描き文字なし)で描きました。音がない分、伝え方が本当に難しくて。雨のしぶきで情景を補おうとしてみるなど、めちゃくちゃ悩みながら描いたのをよく覚えています。

 

●鵜呑みをやめたら、ネームが変わった――担当編集との"言語化バトル"

――前作から変化したこと、意識的に変えたことはありますか?

 

奧山先生:
長年お世話になっている、担当編集さんとのコミュニケーションの仕方が変わりました。いままでは担当編集さんの話を鵜呑みにしていたのですが、最近はちょっと反抗しています(笑)。

でもこれが良くて。お互いやりたいことを言語化してぶつけあうからこそ、毎週すっきりとしたネームが出来上がっています。

 

――担当編集さんと、実際にどんなバトルを繰り広げているのか気になります(笑)。

 

奧山先生:
めちゃくちゃ細かいんですよ! 絵だけでなく、接続詞一つの選び方で揉めています。文頭に「私」を入れるかどうかなど細かい指摘もたくさんあり、2時間かけて打ち合わせするときも珍しくありません。

 

●キャラクターの表面の奥に、人生がある――9課4人への期待

――奧山先生が思い入れのあるキャラクターを教えてください

 

奧山先生:
登場人物は全員大好きが前提なのですが、ひとりだけあげるなら篝かもしれません。ホンワカしているので場が和むといいますか。恋と朧と仁の3人だけだと、どうしても張りつめた空気になってしまうところを、自然に緩めてくれる存在ですね。

 

――今後、注目してほしい展開はありますか?

 

奧山先生:
9課4人を中心に、登場人物にはバックボーンを用意しています。表面上のかっこよさはもちろんのこと、各キャラクターが歩んできた人生も丁寧に描いていくので、ぜひそちらにも目を向けてもらえると嬉しいです。

 

――現在注目しているマガポケ作品はありますか?

 

奧山先生:
『アイドラトリィ』(原作/大鷹シン 漫画/ホマレ)ですね、現在の展開も楽しく追っているのですが、特に1話が本当に衝撃的でした。ほか、お互いの連載が始まる前から面識のある果坂青先生の『GALAXIAS』にも注目しています。どちらの作品も掲載の曜日が同じなので、一緒に頑張っていきたいですね!

 

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

 

奧山先生:
ファンレターはもちろん、コメントやSNSの反応が僕の励みになっています。表面上の励みではなく、本当に。これからも感謝の気持ちを忘れずに、期待に応えられるような作品を頑張って描きますので、継続して読んでくださると嬉しいです!

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