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【第117回新人漫画大賞締め切り直前特別企画】〜漫画家を目指すキミに贈る〜漫画家への花道 『ハードワーカー中田』内海瀬戸先生が新人漫画家の悩みを解決!

新人漫画家さん必見!! 今回は、第117回新人漫画大賞締め切り前特別企画として、漫画家先生へのインタビュー「漫画家への花道」を大公開! 『ハードワーカー中田』の内海瀬戸先生が新人漫画家の悩みを解決しちゃいます!

 

苦節を重ね、連載を摑み取った
『ハードワーカー中田』の内海瀬戸先生に聞く!

自分の中に眠る本当の武器を見つける極意!!

マガジンポケットにて『ハードワーカー中田』を大好評連載中の内海瀬戸先生に電撃取材! 内海先生の漫画創作論をお聞きしました!

 

内海瀬戸先生Profile
2016年9月にヤングジャンプにて短期連載がスタート。その後、2025年3月よりマガジンポケットにて『ハードワーカー中田』を連載中(現在、8巻まで発売中)。

 

●極意1
ジャンルを問わず描いてみるべし!!

――内海先生は週刊ヤングジャンプで連載デビューをされていますよね。漫画家になるまでの経緯を教えて下さい。


 ……実は僕、10年以上前、高校生の時にマガジンで新人漫画賞佳作を獲っているんです。それが漫画家としてのデビューでした。


――えっ! そうだったんですか? 失礼しました!


 いえいえ。ご存知ないのも仕方ないです。もう当時を知る編集さんもほとんどマガジンにいらっしゃらないみたいなので。


――それでは、そもそもどういったきっかけで漫画家を目指し始めたのでしょうか。


 高校生のときに、幼なじみが別冊少年マガジンで連載を獲ったことがきっかけでした。
 中学の同級生で、当時から「漫画家になろうね、頑張ろうね」と喋っていたんですよね。高校では別々になってしまったのですが久々に連絡をくれて、それが連載を決めた知らせでした。
 僕はその時、どん底みたいな高校生活を送っていたんですよ。部活は全然楽しくなくて、勉強もできない扱いで、当時の彼女にも振られて……。そんな中で、その幼なじみが女子高生漫画家として華々しくデビューをしていて…。そこで「俺は何をしているんだ」と一念発起し、漫画を描き始めました。


――漫画を描き始めてからはどうだったのでしょうか?


 最初は順風満帆だったと思います。漫画を描き始めてすぐ、17歳の時にマガジンの新人賞で佳作(第88回新人漫画賞『Exchanger』)を取らせていただきました。そこで、マガジンで担当さんがついてくださったのですが、その方に「大学生になったら遊んだ方がいいよ! 色々やれることやった方がいいよ!」と言われたことを真に受けて、大学に入ってしばらくは遊んでいたんですよね(笑)。
 大学3年生になって、再度本格的に漫画を描き始めました。しかし、担当さんが異動してしまっていて連絡が取れなくなってしまったんです。そこで、集英社へ持ち込みをしました。するとヤングジャンプの賞に引っかかりまして、そちらで連載することが決まりました。

⬆第88回新人漫画賞佳作『Exchanger』より。人の価値に応じて額の変わる人間両替機を見つけた少年が、病気の妹の治療費を得るべく自分の価値を上げようと奮闘する。 

 

――まさに順風満帆ですね。


 順調だったのはここまででした。その連載が短期連載という形だったので、単行本1冊で終わって、ここから7年ほど何も載らない期間が続きました。
 マガジンに持ち込み直したり、ヤングジャンプに戻ったり、またマガジンに戻ったりと二つの編集部を行ったり来たりしていましたね。その間、ラブコメを描いてみたり、スポーツにトライしてみたり、ファンタジー以外のジャンルはほとんど描いたと思います。
 その末にたどり着いたのが、『ハードワーカー中田』でした。このようなエロ系は、自分の頭の中には元々なかったジャンルでしたが、担当さんに才能を引き出してもらった感覚ですね。

 

●極意2
ネタの着想はハマったコンテンツから!!

――マガジンでの連載を目指す中で、どういうように『ハードワーカー中田』が生まれていったのでしょうか?


 僕の大好きな『アメリカン・ビューティー』という映画から着想を受けて、企画が走り始めました。この映画は、枯れた中年男性が娘の同級生を何とか抱きたい一心で男として再燃していく物語なんですよ。担当さんにこの映画のことを話したら、「めっちゃいいですね!」と盛り上がり、『ハードワーカー中田』のネームを練っていきました。さらに、ネームを考えていく中で担当さんと「異世界もので高圧的な女性キャラクターたちを主人公が倒していくフォーマット」がすごく気持ちいいという話になりました。そこで、「現代ものでもこのフォーマット使えません?」と、その要素も取り入れてみることになったんです。その結果、今の『ハードワーカー中田』の形に繫がっていきました。

⬆第1話より。中田が高圧的な主任から無理難題なお題を突きつけられるシーン。


――『ハードワーカー中田』を描いてみて気づいたことはありましたか?


 本当の自分の武器は「演出力」なのだと気づきました。もともとは設定を考えるのが好きだったんです。新人賞で佳作を受賞した作品では「人間をお金に換える両替機」だったり、かつて連載していた作品でも「カメラにしか映らない死んだ幼なじみ」だったりと、作品に設定を乗せようとしていました。
 一方で、『ハードワーカー中田』は枯れた男が成り上がるというシンプルな設定なので最初は不安もありました。設定が足りないんじゃないかって…。
 はじめは色々と設定をこねくり回してみましたが、担当さんに「今回の作品はシンプルな設定のみで勝負しましょう!」と言われてしまったんですよ。
 自分が得意だと思っていた設定の足し算を封じられたことで、物語の見せ方を工夫するしかありませんでした。
 そうして試行錯誤をしていく中で、キャラクターの行動自体はシンプルでも見せ方を工夫すれば面白くなると気づきました。そして、その見せ方こそが自分の得意分野だったんです。キャラクターたちが「どこでどんなセックスをするか」をモノボケ的に演出することで、シンプルな設定でも読者に楽しんでもらえる作品になっていきました。
 さらに気づいたのは、「演出」は展開を面白くするだけではなく、設定の良さを何倍にも高めるんですよ。
 例えば、奇抜な設定で有名なクリストファー・ノーラン監督も「演出」や「見せ方」をしっかりと効かせることで、その設定の面白さを魅せています。
 特に『インセプション』は、「人の夢の中に入る」という設定が「演出」によって一層輝いている作品だと思います。この作品には、「街が折り畳まれる」や「コマが回り続ける」といったシーンがあります。そういった見せ方によって、夢の自在さとその規模感までも伝えることができたり、夢の世界に居続けていることを表現できたりしているんですよね。
 僕はノーラン監督のそういった「見せ方」に惹かれていたんだと思います。

⬆第3話より。取締役・紅川纏を抱くべく、中田は取締役を目指し社内成り上がりの道を歩む。

 

⬆第41話より。指技で相手を気持ちよくさせるシーンをピアノの演奏に見立てて描写している。

 

――そうだったのですね。『ハードワーカー中田』では、どういった見せ方の工夫をしているのでしょうか?


 この作品は、どうしても下ネタや性描写が多くなってしまう作品です。ただ、少年誌である以上、性器をそのまま描くといった直接的な表現はできませんよね(笑)。ですので、男の勲章を日本刀に置き換えてみるなど、ありのままに描けない縛りの中でどう描けるか模索しています。「縛り」の中で描き方を考えるのは難しくもあり、とても楽しくて面白いところです! 

⬆第1話より。会社の取締役・紅川纏を一目見て、中田の枯れていた男の本能がよみがえる。

 

――演出力を鍛えるために、特別なことは何かされていたのでしょうか?


 映画をよく観るので、知らず知らずのうちにパターンがストックされていたのかなと思います。例えば、ホラー映画の演出のイメージで描いたシーンがあるんです。59話の20ページ、ペニバンをつけた小幡芳乃が日ノ輪凛に背後から迫るといったヒキなのですが。これは、小幡芳乃が迫っていることに日ノ輪本人は気づいていないけれど、読者だけは気づいているというものです。
 こうしたシーンは、これまでに蓄積された演出の引き出しが活きてできたと感じています。結果が出なかった長い間たくさん摂取してきた映画や漫画が、『ハードワーカー中田』の演出を支えてくれています。

⬆第59話より。日ノ輪凛を倒しにかかる中田。そんな二人に忍び寄るペニバンを装着した小幡芳乃の後ろ姿。

 

●極意3
人生懸けてパンツを脱ぐべし!!

――最後に、これから連載を目指す新人作家さんに向けてメッセージをお願いいたします。


 僕は17歳の時に新人賞で佳作を受賞したのですが、『ハードワーカー中田』が始まったのは30歳ぐらいの時で…。思うように結果が出ない期間が随分とありました。
 新人賞に挑戦している人の中には、なかなか結果がついてこず、漫画家を目指すことを諦めようと考える人もいるかもしれません。そんな方たちにこそ、「僕みたいに何年もダメでも、連載を摑み獲れることはあるぞ!」と伝えたいです。
 もちろん、芽が出なかった期間にボーっとしていたわけではありません。担当さんが言ってくれたことに真剣に取り組んでみたり、あの手この手で様々なジャンルにチャレンジしてみたり、試行錯誤を繰り返していました。
 連載に辿り着くまでに、担当さんとの巡り合わせなどの運も必要になってくると思いますが、その運を摑むためにも必死に行動し続けることが大切だと思います!
「自分をよく見せよう」とか、「かっこいい漫画を描こう」という邪念を捨てて、本当に面白いと思える作品に向き合うこと。それができたおかげで、なんとかここまでやれていると感じています。
『ハードワーカー中田』的に言うと、「パンツを脱い」で全部をさらけ出したからこそ、厳しかった女神も微笑んでくれたのかもしれませんね(笑)。


――本日はありがとうございました!


 こちらこそ、ありがとうございました!

 

第117回新人漫画大賞
特別審査員は『聲の形』『不滅のあなたへ』の大今良時先生!!

締め切りは2026年9月30日当日消印有効! ご応募お待ちしております!!

 

ぜひ周りの人にも教えてあげてください!

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